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手をつなぐのもNG!セクハラ被害にあったらするべきこと|実例セクハラを解決する方法2

手を触るセクハラ
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セクハラはあってはならない問題ですが、被害者が泣き寝入りすることが多いのも事実です。

今日のお話は私の同僚が実際にセクハラ被害に遭った事例から、セクハラに遭ったらまずどうすべきかについてお話したいと思います。

セクハラのスパイラル

気がついたときには、H美さんはセクハラの泥沼にはめられていました。

その後も、助兵衛さんの攻勢は強まるばかり。

取材では必ずH美さんをパートナーに選び、取材が終われば必ず飲みに連れて行きます。機嫌がよければ、「早くオトコをつくれ」だの、「俺の愛人になるか?」だの、おっさんお決まりのセクハラワードを連発し、機嫌が悪ければ、「オトコの経験が足りなくて欲求不満なんじゃないか?」だの「いいオトコ紹介するからちゃんとセックスしろ!」だの言いたい放題。さすがに、お酒の席で触られることはありませんでしたが、最後は、必ず、

「俺が、お前を立派なカメラマンにしてやる」

「俺のそばにいれば大丈夫だからな」

と、俺優しい自慢に終始し、帰りは必ずタクシーで自宅前まで送り、H美さんがタクシーを降りる瞬間には、

「ちゃんと寝とけよ」「凹むなよ。また明日があるからな」「じゃあな。今日も頑張ったな。お疲れさん」

と、ドリフのカトちゃんばりに、優しい俺にグッとくるだろモード全快

になって、

俺、本当は「寄ってっていいかな」って聞きたいんだけど粋な男はそんなこと聞かないぜ的な哀愁

を、漂わせて、勝手にいい男ぶって去っていくという助兵衛スペシャルコースが、定着しつつありました。

彼が、嬉々として編集部に現れるのに反比例するように、

H美さんは、精神状態が仕事に集中できなるなるくらい疲弊していきました。

それでも、

「誰にも相談できなかった」

と、言います。その理由は、

「報道の世界は男性社会だから、誰と組んでも同じような目に合う。こんなことを相談したら、『やっぱり女には無理なんだよ』と、クビになるかもしれない。そうなったら、二度と他で雇ってもらえない。なんとか我慢しよう。我慢さえできれば…」

と、いう不安からでした。

つまり、H美さんは、報道カメラマンになると決めた時点で、ある程度のセクハラは覚悟していました。

セクハラがあるのはどこでも同じ。我慢できることは我慢する。我慢できないことは、はっきり言えばいい。今はそういう時代だ。

そう思っていたのです。

でも、実際は、

萎縮して何も言えなくなる。

ばかりだったのです。その根底には、

言っても、誰も味方にはなってくれない。

と、いう確信めいた思い込みがありました。

その理由は、H美さんへのセクハラは、助兵衛さん一人だけではなかったからです。

不安

 

仕事と称して手をつなぐセクハラ

 

佐助(仮名)という45歳のカメラマンがいました。彼にも妻子がいます。H美さんにとっては、直属の先輩ということになります。

ある日、有名ホテルで開催されている、とある団体のパーティーの取材にその先輩と二人で行くことになりました。もちろん、二人はこの日が初対面。

パーティーに招待されている著名人を確認して、パーティー終わりにホテルを出る写真を撮るという内容でした。

そこで、佐助さんは、H美さんに、こう提案しました。

「ホテル内では、俺とおまえはカップルということにするからな。だから、絶対敬語を使うなよ。タメ口でいいから。できるよな」

「はい。できますけど、カップルじゃなきゃダメなんですか?別に友人同士でも会社の上司と部下でもいいと思うんですけど…」

「パーティー会場の入り口で上司と部下がなにやってんだよ。おかしいだろ。宿泊しているカップルが有名人を見に来た感じが一番いいんだよ。おまえは黙って俺の横に立っていればいい」

「はい…わかりました」

そして、パーティー会場の前で、立っていると、突然、佐助さんがH美さんの手を握ってきたのです。

「えっ?!」

佐助さんは、素知らぬ顔であさっての方向を見ています。

ずっと手をつないだままで、会場前を移動するときには肩を組んできました。

(でも、こんなものなのかな…)

H美さんは、助兵衛さんのトラウマがありますから、なにも言いませんでした。ただ、いくら仕事とはいえ、初対面のおじさんとずっと手をつないだまま。時には肩を抱かれます。気持ち悪くて全身から汗が吹き出たと言います。幸いなことに、この時の仕事はこれきりだったので、それ以降、佐助さんと仕事をすることはありませんでした。

しかし、すぐに変な噂が流れ始めます。

「H美と取材で1対1になるのはやばい」

と、いう内容です。つまり、

「何もしてないのに、H美は、一緒に仕事をしただけでセクハラをされたと騒ぎ立てる」

と、言う噂です。

噂を流したのは案の定、佐助さんでしたが、そこに同調する男性が2名ほどいたのです。

「ああ、それ、ありますよね」

「彼女もそういうタイプなんだ。確かにそんな見た目ですよね」

その程度の同調でも、周りにはそれが確信へと変わります。

わたしが、H美さんと仕事をするようになるまで、それから1ヶ月ほどかかるのですが、その時点で、わたしの耳には、

「あの子、ちょっと変わっているというか、潔癖というか、難しい子らしいよ。見た目、おとなしそうなんだけど、被害妄想みたいなのがあるから気をつけたほうがいい」

と、いう評判が届いていました。

わたしは、正直、そんな面倒臭い子とは仕事をしたくない と、思っていました。

なぜなら、わたしたちの仕事。つまり取材は、一緒に組んだ相手が女性だろうと一晩二人きりで徹夜するなんてことは日常茶飯事です。車の中で二人きりで夜を明かす。シートを倒して仮眠する。当たり前のことです。恋人同士のふりをして、取材をする。そんなことは滅多にありませんが、全くないわけではありません。

事実、そういう生活の結果、付き合うようになる男女もたくさんいました。結婚した男女もいます。関係を疑われるなんてことも日常茶飯事です。

嫌がる女性スタッフに「これはひどい」という、セクハラをする記者カメラマンもたくさんいました。内容は書けません。それくらい、ひどい。

そういうことを知り尽くしたベテランの記者やカメラマンが、「新人の若い美人カメラマンが、セクハラをされたと触れ回っている」。そう周囲に話していたら、どちらを信じてしまうでしょう?

少なくとも、男はベテランの記者やカメラマンの方を信じます。

「すぐにそういうことを言い出す奴ね。若くてきれいな女の子は自意識過剰なんだろうな。そんな子は向いてないよな」

彼女が佐助さんの言う通り触れ回っているかどうかなんて、周りにはもう関係ないんです。そういう噂が立ったら、それが全てです。誰も、真実を確認しません。噂を立てられてしまう子は長くは続かない。実際、長くは続かないんです。だから、わたしも思っていました。

でも、それは間違いでした。

H美さんは、被害者。

物言わぬ、いや、

     物言えぬ被害者

だったのです。

物言うと、被害がさらに大きくなる。

それが、セクハラの真実です。

手を触る

 

セクハラは、黙っていては永遠にわからない

 

わたしとたびたび仕事をするようになって3年が経ちました。

最初は、右も左もわからぬ、 確かに、勘の鈍い、シャッターを切るタイミングもワンテンポ遅いようなところもありましたが、いまは、立派なカメラマンに成長していました。

3年前、佐助さんが周囲に吹聴していた「セクハラうんぬん…」の話は、完全に忘れ去られ、彼女はとても、楽しく仕事をしているように見えました。わたしと仕事をしているときの彼女の態度は、いたって普通。女性を意識させるような格好は決してしてこないし、仕事もしっかり覚えてくれます。口数は少ない方なので、確かに一見、おとなしそうに見えますが、そこはやはり、報道カメラマンです。しっかり頑固で、人を観察する眼力もかなりのものでした。

そうです。わたしには、そう見えていたのです。

しかし、H美さんは、未だにセクハラ被害者でした。

この編集部にやってきて、すでに3年が経過したというのに、彼女はセクハラ被害に悩んでいました。

そのことに、わたしが気づくことができたのは、ほんの偶然でした。

わたしはH美さんと仕事の打ち合わせのため、編集部で待ち合わせ、向かい合わせに座っていました。

そのとき、H美さんの後ろに現れた助兵衛さんが、H美さんの肩に手をポンと置き、顔を近づけてH美さんの耳元でなにやら囁いたのです。その瞬間、H美さんの肩がビクッと固まったかと思うと、そのまま表情も固まって動かなくなってしまったのです。

そのまま、助兵衛さんはH美さんの横の椅子にドカンと座り、ニヤニヤ嫌らしい笑いを浮かべてH美さんを見ています。

「助兵衛さん、なんですか?いま、打ち合わせ中なんですけど」

わたしが、抗議すると、

「おう、わりいわりい。なんでもねえよ。なっ」

そう言って、H美さんに笑いかけます。H美さんは固まったまま。

「H美。風と打ち合わせ終わったら、なっ。ちょっと俺と打ち合わせな」

なんとも思わせぶりな言い回しです。

「なんなんですか?それ?」

わたしが突っ込むと、

「おまえには関係ねえよ。な、風は関係ねえもんなあ」

念を押すようにそう言います。そのときのニヤッとした笑いが本当に下品でいやらしい。

「あ、はい…」

わたしは、H美さんのただならぬ雰囲気を感じ、あえて、打ち合わせを伸ばし、助兵衛さんが席を立つのを待ちました。

「おれ、あっちで待ってるからよ」

そう言って助兵衛さんは席を立ち、いなくなりました。

「打ち合わせってなに?」

「さあ…、よくわからないです」

「仕事頼まれたの?」

「いや…、これから頼みたい仕事があるんじゃないですか?わからないですけど…」

「体が思い切り、拒絶反応を起こしているみたいだったけど、大丈夫?」

「えっ?…そんなことないですよ〜」

「そんなことあるでしょう。いきなり後ろから肩に手を置かれて拒絶反応を示さない女の人いないでしょう」

「そうですか……そうですね。それが普通ですね」

「助兵衛さんは耳元でなんて言ってたの?」

「また、頼みたい仕事があるからって」

「それを言うのに、あんなに耳を近づけなきゃいけないの?」

「ですよね。変ですよね」

「変じゃなくて、変態でしょう。助兵衛さん、H美さんの耳に口を近づけたいだけでしょう。いやなら、やめてくださいってはっきり言ったほうがいいよ。ああいうの、ほっといたらエスカレートするよ」

「……わかります?」

「わかるよ。いや、今までは全然わからなかったけれど、ああいうのずっとやられてたの?」

「はい」

「いつから?」

「入ったときから」

「えっ?今までずっと?あと、どんなことされた?」

「なんかわかんないですけど、すれ違い様に頭をポンと叩かれたり、お尻のところにぶつかってきたり。車の中で髪の毛触られたり。あ、車の中で仮眠とっていたとき、ふと目が覚めたすごい顔が近くにあることもあって…」

「肉体関係を迫られたことはない?」

「それはないです。だから、何がしたいのか全然わからなくて」

それ、完全におじさん、心の中でレイプしてるね。想像プレーだな。H美さんが示すちょっとした拒絶反応に興奮してるのかもしれないね。それでいて、そこから先には絶対行かないように自分の行動をセーブしてる。誰が見てもセクハラという風にはならないようにコントロールしてる。確信犯だな

「え〜っ!そんなこと言わないでくださいよ。本当に気持ち悪い…」

言わなくても、気づかないふりをしていても、それが真実だよ。ずっと、気持ち悪いことされてたんだよ。そこに、気づかないふりをしたらダメなんだよ。永遠に終わらないよ。でも、止めてくださいって、言えないんだよね。だから、今でも続いてるんだもんね。誰かに相談した?」

「いえ。いま初めて風さんに言いました。だって、女性スタッフに話しても、無視するしかないとか、相手にするしかないって言うだけだし。自分が被害者じゃなかったら、しょせん他人事なんですよね。男の人は信用できないし、誰を信用していいのかわからないし」

「わたしも信用できなかったんだね」

「そういうわけではないんですけど、話しても仕方ないかなって。だって、こういうことをするのは助兵衛さんだけじゃないし。気が付いたら、いつも、わたしのほうがひどいってことになっているんです。だから、諦めています

「他にもいるの?」

「いっぱいいますよ」

「いっぱいいるの?」

恐怖

セクハラ加害者はかわいさ余って憎さ百倍

 

「すべて話してごらん」

このさい、わたしは根掘り葉掘り聞きました。

また、別の男の話。この男性もカメラマン。年齢45歳。独身。名を喜助(仮名)といいます。

紛争地帯や地震や台風などの戦場、災害地域を専門に取材するカメラマンです。いわゆる、カメラマンの世界では最も気合の入った職人というイメージです。彼は、いわゆる、弟子を持つタイプのカメラマンで、若いカメラマンが入るととても面倒見が良くて、よく飲みに連れていき、勉強会なる会合もよく開くタイプ。一人で事務所を開いて、出版社に限らず、テレビ媒体にも売り込みに行くプロ中のプロ。

彼は、カメラマンにはカメラマンの世界、記者には記者の世界、編集者には編集者の世界があって3者が理解しあえるなんてことはない。と、いう考え方の人物でした。いわゆる、昔気質の職人気質というやつです。だから、

「カメラマン同士、どんな時でも助け合わなければならない」

いつも、そう力説していました。

喜助さんはすぐにH美さんに声をかけ、カメラマンとしての技術、現場への取り組み方、現像の技術などなど、懇切丁寧に教えてくれたそうです。

しかし、ある日を境に、彼の態度は一変します。

ある日、突然、こんなメールがH美さんの携帯に…。

「H美。おれはおまえが好きだ。おまえはなんてかわいいんだ。好きで好きでたまらない」

H美さんは、またまた絶句。

その翌日、

「H美。おれはおまえのことばかり考えている。好きだ好きだ」

その翌日、

「H美。もうおまえはおれの女だ。おれはもうおまえから離れられない」

H美さんは、彼の告白を受け入れられず、会ったときに、

「すみません。わたし好きな人がいるので、申し訳ありません」

そう、断ったそうです。それに対し、喜助さんは、

「いいんだよ。おれはいつまでも待つから。おまえがおれと付き合ってくれるまで、ずっと待つよ」

そう答えました。

「いえ。待っていただいてもお付き合いはできません。わたしの答えは変わりません。すみません」

H美さんは、はっきりそう断りました。

待ってもらっても困るのです。彼女は喜助さんと付き合う気などさらさらないのです。変に期待を持たれても困ります。だから、はっきりと正直に断りました。

これは、とっても正しい判断だったと思います。

だから、かえって、セクハラ被害を受けるようになったわけですが…。

それから、数日してから、また、H美さんの悪い噂が流れます。それは、

「あの女は、人の恩を仇で返すような女だ。人が、立派なカメラマンに育ててあげようと、あれだけ教えてあげたのに、突然『もうけっこうです。これ以上、教えてもらう必要はありませんから』と、偉そうに言ってきた。あの女は最悪だ」

そういう内容でした。もちろん、その噂を流しているのは喜助さん。周りのカメラマンたちは、喜助さんのメールの一件を誰一人として知りません。喜助さんもそんなことは誰にも言いません。フラれた腹いせに、彼女を貶(おとし)めようとしていました。

「カメラマン同士、どんなときにも助け合わなければならない」

そう言っていたのに…。H美さんは、今さら驚きもしませんでした。

「あ、またか。この人もこういう人なんだ…」

そう思っただけでした。

(執筆者:心の冷えとりコーチ 風宏)

お話は続きます。

セクハラは解決できる?本当に難しいセクハラを解決する方法3

風宏(Kaze Hiroshi)
この記事を書いている人

風 宏(Kaze Hiroshi)

 風宏

心の冷えとりコーチ

冷えとり歴13年目。靴下6枚ばき、半身浴20分。最近お酒がやめられるように変化した2015年2月4日より、女性のための問題を解決するブログを開始。2016年9月GCS認定プロフェショナルコーチ資格取得。女性のための心の冷えとりコーチング講座も開催。