そもそも、「冷えとり」が、あまり理解できておられない方には、いまいちピンとこないフレーズかもしれませんね。「心の冷えとり」の真意を知っていただくためには、まず、この「冷えとり」について、ちょっとだけでも知っていただく必要があると思います。
茜さんが、「冷えとりブログ」を書いていて、十分ご存知のことと思いますが、わたしがこれから書くことは「わたしの冷えとり」に対する考え方、感じ方です。
今日の記事は、心の冷えをとりたい方に向けています。
私の思う「冷えとり」
「冷えとり」はたくさんある健康法の一種です。
医療ではありません。
冷えとりは、最近、女性の間で流行っている健康法です。30年近く前からあったらしいのですが、特に、女優の吉田羊さんや波留さんがやられているということで一気に認知度が上がりました。
実は、わたしはこの健康法を10年間やってます。男性でやっているという方はまだかなり少ないでしょうね。だって、男はみんな「足、暑ぅ〜っ」て言ってますもん。1年通してやり続けようと思ったら、かなり根性入りますよ。だから、みなさんにオススメするつもりはありません。
やったほうがいいかどうかで言えば、もちろんやったほうがいいですが、冷えとりは医療ではありませんので、
やりたいと思った人がやればいいんです。
では、その「冷えとり」とは?
「冷えとり」の「冷え」には、そもそも、
「冷え性」と「冷えのぼせ」があります。
「冷え性」は下半身や手足の末端神経の冷えを感じる現象です。そうです。足先が冷たく感じる、あの「冷え性」のことです。
「わたし、手足をいくら温めても冷たいんですよ。冷え性なんです〜」
これです。この状態を冷え性と言います。
では、「冷えのぼせ」とは?
冬に裸足なのに、足が熱く感じる現象のことです。冬にストッキングとパンプスだけで歩いている女性は本当にたくさんいますが、あの状態で「寒い。足が冷たい」と、感じないのは、すべて「冷えのぼせ」の状態といって間違いありません。
「それは冷えじゃないよ。だって、寒くないもん。冷たくないもん」
そういう人の大半は、ニット帽をかぶって、大きなマフラーをして上半身をこれでもか〜!てな具合に温めています。当然、首から上が暑い。のぼせの状態です。だから、下半身の冷えに脳が気づかないのです。
考えてもみてください。自分の普段の格好を思い出してください。
上半身と下半身の体温差、いったい、どれだけあると思いますか?
人間の体温は、だいたい35〜37度です。頭は37度くらい。それに対し、足先は31〜32度くらいしかありません。裸の状態でもこれだけの温度差があります。そこに、上半身だけをさらに温め、下半身はむき出し。
当然、温度差はさらに開きます。
そういう状態で、血液が体内を滞りなく循環すると思いますか?
循環するはずありませんよね。
下半身の冷えすぎで、血液がスムーズに循環してなくなり、足先や皮下組織に血液が溜まってしまい、その部分だけ感覚が鈍くなってしまいます。当然、神経も鈍くなる。脳が下半身の状態を忘れてしまうのです。でも、上半身だけは「暑い」。脳は、体全体が「暑い」と勘違いします。
いわゆる「冷え性」と違うのは、「寒くない」「暑い」と勘違いしてしまっていることだけで、状態は「冷え性」と全く同じ。
つまり、「冷え性」を自覚している人は、「寒い」から半身浴をしたり、分厚い靴下を履いたり、足湯をしたり湯たんぽを使ってなんとか足を温めようとしますから、まだ大丈夫なんです。脳が「寒い」「冷たい」を自覚して、それを「温めよう」としているのですから。
でも、冷えのぼせの人は、そもそも「寒い」「冷たい」なんて感じてないのだから、
「冷えているという自覚がない」のです。だから、余計にタチが悪い。「その人が」じゃないですよ。「その症状が」です。
考えてもみてください。冬に、外を裸で歩いて「暑い」と感じる人はいないと思います。でも、脚だけは丸出しでも大丈夫。おかしいと思いませんか?
その間も、下半身の細胞は寒さに耐えられません。
その寒さでも生きられるように進化を遂げるしかありません。その進化がうまくいけば、それはそれでいいんです。スポーツ選手なんてまさにその例で、定期的にインナーマッスルを鍛え、下半身に刺激を与え、熱量を加えているから神経が行き届き、寒さを寒さと感じることができています。でも、そういう体の中を温めることを基本的に一切やっていない人の細胞はどのように進化するか?
「冷えのぼせ」が長く続くとどうなるか?
毒に進化するのです。その毒は長い時間をかけて体に蓄積していきます。
結果、体に変調をきたします。
何度も言いますが、人間の体温は、だいたい35〜37度です。頭は37度くらい。それに対し、足先は31〜32度くらいしかありません。
体温が冷えすぎると、細胞はどうなるか?
これはあくまで私のイメージです。
冷たい状態でも生きていけるように毒に変異します。それが病気の元となる。長い時間をかけて、毒はコールタールのようにドロドロの状態になり、それすら冷え切って石のように固まります。石の中には一切、動きや流れはありません。血も神経も通わなくなります。でも、脳は気づきません。「あれ?おかしいな」気づいたときには…。
そうならないように、「下半身を温めましょう!」と、いうことなのです。
「そこまで脅しといて、下半身を温めるだけ?本当にそれだけで病気にならないんだったら誰だってやるでしょう?どうして誰もやらないの?効果がないからじゃないの?」
そうですよね。
そこなんです。人間の弱さは。
最初に言いましたが、「冷えとり」は健康法です。医療ではありません。
健康法は、健康を維持するために日々、日常的に持続して初めて効果が現れます。医療のように、病気になってから始めて、投薬や手術によって劇的な改善を求めるものとは全く別のものです。
病気になってしまった人が、健康法を始めてもあまり意味がありません。
火事が起きてしまったら、水をかけて火を消さなくてはならない。それが医療。火事にならないように常日頃からきちんと火の用心をすることが健康法だと考えてください。
でも、
人間は、一度、大きな病気をしないとやろうなんて思わないんです。大きな病気をして初めて、お酒をやめるし(わたしはお酒をやめるつもりはありませんが)、タバコをやめるし、食生活に気を使い、ストレスを溜めない方法を考え始めるのです。
でも、大きな病気をしてからでは遅いんですよね。
でも、医学は?
大きな病気にならないと、その治療が有効かどうかわからない。
インフルエンザにかかってない人がタミフルを飲んでも全く意味がない。本当に効果があるのかどうかわかりません。
医学は、マイナスありきです。マイナスをゼロに戻していくのが医学です。
医学は、マイナスの体を劇的にゼロに戻してくれます。
効果がすぐに現れます。
それに対し、健康法は、
健康を維持する。
健康だと思い込んでいる脳と不健康な体の乖離を少なくする。
不健康な意識を改善する。
ためのものであって、すぐに効果を求めても実感できる変化は起きません。
それを実感できる人は、
時間をかけて、継続して、健康を維持しようと意識し、行動を続けた人だけなのです。
継続は力なり!
「冷えのぼせ」チェック方法
どうしても、信用できない方。。では、試しにやってみてください。
百聞は一見にしかずです。
寝るときに、靴下を履いて寝てみてください。
靴下をもう一枚、重ね履きしてみてください。
もし、足が痒くなったら、あなたは冷えのぼせ状態にあります。
なぜ、そう言えるのか?
正坐を思い出してください。
慣れない人が10分正座すると足の感覚がなくなりますよね。そして、足を伸ばすと、最初に痺れがきて、そこからものすごくこそばゆくなるでしょう?あれは、足の表面がこそばゆいのではなくて足の中がこそばゆい。止まっていた血流が急激に流れ始めたので、なくした感覚が戻る時の現象です。
あれと同じ。
靴下を履いて寝ると、足が痒くなります。水虫になったからでありません。
足の内部が温かくなり、感覚が正常になっているからです。
でも、この痒さが耐えられなくなり、たいていの人はここで断念します。
そこを我慢して継続すると、
そのうち、かゆみは激しくなり、皮膚が赤く腫れます。皮がむけます。汁みたいなものも出てきます。心配だったら皮膚科に行ってください。でも、水虫ではありません。少なくとも、私と茜さん、私の知人、みんな皮膚科に行きました。誰も水虫ではありませんでした。
「ただのかぶれですね」
そう言われました。
「じゃあ、足が痒くなったことで健康になったと言えるの?」
それは、わかりません。
ただ、西洋医学では説明できないことが体に次々と変化を起こしていることだけは事実です。
例えば、わたしは以前は熱々のお風呂が大好きでした。
でも、今、熱々の風呂に入ると、皮膚の表面はすぐに赤くなるほどにものすごく熱いのに、体の中がすごく寒くなってきて、長く入れば入るほど、体がガタガタ震えてきます。
それが初めて起きたのが、冷えとり歴6年目のころ。
身体の中の冷えに脳が気づくのに、6年半かかりました。
ちなみにその状態は、魚の生焼け状態と同じです。肉をミディアムレアに焼く要領と全く同じなのです。表面が熱ければ熱いほど、そこに熱の膜が出来て、中まで火が通らなくなります。
私は靴下の重ねばきはできても、長湯が大の苦手。半身浴をずっと拒んできました。
だから、これだけ時間がかかってしまいました。
最近では、暑すぎないお湯にゆっくり時間をかけて浸かれば、体が芯から暖かくなっていくのを実感できるようになりました。
体の中の冷えを実感し、体の中が温まるのを実感できます。
自分の体の状態を正しく把握できているという実感です。
先日も喉風邪をひいて、喉が腫れて唾を飲み込むと痛い状態になりました。以前のわたしであれば、すぐに耳鼻科に行って、喉の吸入をやっていました。5日ほどするとようやく痛みが治まります。
今のわたしは、大の苦手だった半身浴を1時間します。1時間経つと、喉から黒い塊のような痰が出て、お風呂から上がってしばらくするととめどなく鼻水が出てきて、それを3日続けると完璧に治ります。
これが、半身浴のおかげなのかどうか、正確にはわかりません。ただ、事実としてそうなのです。
この実感を得られるまで、かなり長い時間がかかりました。
よく分からない変調が他にもたくさん身体に訪れました。それが良いのか悪いのかがわからない。ただ、「冷えとり」を始めたことがきっかけで変調が起き始めたことだけはわかる。
この変調が、良い結果をもたらすのか、悪い結果を引き寄せるのか、わからない。
辛い変調もたくさんありました。その都度、病院に行きました。でも、病院でも原因がわからない。結果、いつの間にか変調はなくなっていて、気がついたらなんとなく変調の前よりは身体が強くなったという感覚だけはある。
ただ、半身浴をして靴下を履いているだけだから、やめるほどではない。だから続ける。
暑すぎる日は、やらなければいい。
辛いな〜と感じる日はやらなければいい。
お金は全然かかんないんだし。
慣れてしまえば辛くもない。やっていることすら忘れている。
慣れてしまえば何でも楽です。
辛いのは何でも最初。
「冷えとり」の場合は最初の1年間です。四季を一通り経験する。これが、最初の鬼門です。
この間、私は、ただただ茜さんの言う通りにしていました。
でも、どうしてもやりたくない日はやらない。
「それでいいんだよ」
茜さんもそう言います。
何事も力を入れすぎてはダメなのです。
ほどほどです。
心の冷えを知る
コーチングもこれと考え方は同じです。
1、
まず、自分の心が冷えているのか冷えてないのか、正しい状態を知るということです。
悩みや苦痛を抱えて心が冷えてしまっている人は、自分の心の冷えの原因がよくわかっています。いわゆる「冷え性」の状態です。
だから、その悩みや苦痛のもとを、掘り下げて、それを取り除くのではなく、徐々に消してゆく。もっと正確に言うと、「気がつくと消えていた」。それがコーチングです。
取り除くのは、カウンセリングや医療の仕事です。
「この通りにやりなさい」
と、言われたことだけをやる。
でも、コーチングは、あなた自身がその心の奥にある傷の素を探り出し、それに気づくことをお手伝いするのです。
そして、その傷を投薬によって取り除くのではなくて、消してゆく。時間をかけてゆっくりとです。身体にダメージを与えないように、自己治癒力によって自力であなた自身が傷を薄めてゆく。私はその横で励ましたり、横路にそれようとするのを防ぐだけです。
スポーツのコーチは競技者に競技中に直接触れることはできません。マラソンにしてもサッカーにしても。でも、コーチングは、時折、背中を押します。ただ、あなたが気付く程度に。
でも、
「その程度しか押してくれないの?」
最初はそう思うかもしれません。事実、その程度しか押さない。私が力いっぱい押せば、ズンズン前には進めるかもしれないけれど、押すのをやめたらどうなりますか?
急に体が重くなります。前に進むのが億劫になります。
「やっぱりやめよ。別に前に進まなくてもいいか、薬を飲めばいいんだし(人に頼ればいいんだし)」
そうならないために、私は、力一杯は押さない。
2、
「わたしはずっと努力をしてきた。それなのに全然報われない」
「上司は全くわたしの実力を認めてくれない」
「ずっとダイエットを継続してやっているのに、全く痩せない」
「お金が貯まる本をたくさん読んでいるのにお金が全く増えない」
「新しい自分になりたいとずっと頑張っているのに、全然自分が変われない」
これらはすべて、「冷えのぼせ」の状態です。
その努力は、あなたにとって正しいのでしょうか?
本来、あなたにあったやり方ではないのではないですか?
本当にやっていて楽しいですか?
楽しいと感じているのは、心と身体の両方ですか?
残念ながら、あなたの頑張ってきたことは、あなたに苦痛を与え続けているだけかもしれないのです。
「一生懸命やる」「頑張る」「あきらめない」「努力する」
どれも、苦しい言葉です。
「その先にあるだろう楽しい未来のためにある言葉ですから、ある程度の今の苦しみは仕方がない」
そうですね。その通りです。
「その先にあるだろう楽しい未来」を「今の苦痛」以上に楽しめる人だからこそ、言える言葉です。
そういう人にとっては、今の努力や苦痛が快感になります。いわゆるM状態です。
筋肉マッチョと同じ。筋肉を傷めつけて痛め続けることが快感だから、苦痛に顔を歪めても、楽しんでできるのです。
今が遊べなくて、自由がなくて、辛くて辛くて仕方なくても、その先に入りたい大学が待っているから受験勉強ができるのです。
それが、正しい「努力」です。
それでも、努力が必ず報われるとは限りません。
厳しい世界です。
でも、その時間が楽しければ、充実してれば、少なくとも後悔はありません。
最初に目指すは、そこです。
どんなに楽しい未来が待っていても、今が、
「苦痛で苦痛で仕方ない」
という人には、その努力は、ただの苦痛でしかない。
あなたが本来、目指すべき場所は、そこじゃないかもしれない。
いま一生けんめい頑張っている努力は、全くの無駄なのかもしれません。
もっと楽に、もっと簡単にあなたのなりたい道がすぐそこに待っているのかもしれない。
あなたの冷えてる本当の箇所はどこなのか?
あなた一人では、あなたの背中は見えません。
でも鏡があれば見えるでしょう?
その鏡の役割となるもう一人がいれば、あなたの背中の状態を客観的に見ることができる。
あなたが本来向かうべき場所はどこなのか?
あなた一人では、視野が限られます。もう一人いれば、視界が二倍になる。
あなたの今の心の状態は、「冷え性」ですか? 「冷えのぼせ」ですか?
(執筆者:心の冷えとりコーチ 風宏)
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風 宏(Kaze Hiroshi)
心の冷えとりコーチ
冷えとり歴13年目。靴下6枚ばき、半身浴20分。最近お酒がやめられるように変化した2015年2月4日より、女性のための問題を解決するブログを開始。2016年9月GCS認定プロフェショナルコーチ資格取得。女性のための心の冷えとりコーチング講座も開催。