コミュニケーションスクール

他人とうまくやっていくためには見えない壁を知ることが大切

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テリトリーを守る

人と人とのあいだには見えない壁があります。

その壁があるから、本能的にテリトリー(縄張り)が生まれ、危険を察知し、身を守ることができます。

テリトリーをわかりやすく言うと、です。

たとえ友達であろうと、親であろうと、勝手に断りもなく家に上がってこられるのはいやですよね。

それと、同じように、人は、一人一人、自分のテリトリーというものを持っています。

動物であれば、当然、身についている能力です。

ただ、人間の場合、特に男女比でみると、男性に比べて女性の方がテリトリーが狭いと言われています。男性同士、女性同士の食事中、会話中、並んで歩いている姿を見ても女性のほうが距離が近い。それは、女性のほうがテリトリーの意識が薄いからです。動物でもオスは縄張り意識が強いですが、メスはそれほど強くありませんよね。

わかりやすい例でいうと、ファミレスで縦横無尽に走り回る子供達をほったらかしにしたまま話に夢中になるママたちです。視界に入るところ(テリトリー内)で騒いでいたら、きちんと注意をするけれど、子供たちが視界から消えて見えないところ(テリトリー外)で騒いでいたら逆にほったらかしでおしゃべりに夢中になっているパターンです。家の中でも赤ん坊の様子を注意深く見ているつもりでも、電話がかかってきて、おしゃべりに夢中になっているうちに子供への注意がおろそかになります。そのとき、テリトリーが電話の相手と自分の世界に移動しているのです。

交差点のど真ん中でも立ち止まって話し始めるおばさんたち。本来、自分のテリトリーではない場所なのに、今そこにある場所が簡単に自分のテリトリーになってしまう。テリトリーは、せいぜい自分を中心点とした半径1.5mで囲まれた円くらいの広さで、自分が動くことでテリトリーも一緒に移動している。視界が狭いというのとは少し違いますが、意識が前後左右に行き届かない。遠くまで及ばない。だから、危険を察知するのが遅い。そんな感じでしょうか。

なぜ、そうなってしまうのでしょうか?女性がみな、そうだというわけではありません。

その人の性格にもよると思うのですが、”社会性が乏しい”と、いうことが、一番の原因だと思います。

では、その社会性が乏しいとどうなるか?

本来のテリトリーである家の中や家庭での常識、仲のよい友達の間だけで通用する常識、ママ友間の常識が、それ以外の場所でも通用すると勘違いしてしまいます。

さらに、言えば、

一緒にいる人は、すべて同じテリトリーの仲間だと思い込む。だから、人と人とのあいだには壁が存在しているのに、勝手に壊して簡単に上がり込んでしまう。

だから、無意識のうちに相手の懐に勝手に入っていったり、無神経なことを平気で言ってしまう。相手がどう感じようが言いたいことを言う。

そういうミスコミュニケーションが生まれてしまうのです。

友人関係、会社での人間関係、ママ友との付き合い方に悩んでおられる方の場合、こういったタイプの女性に悩んでいるというパターンが実はかなり多いのです。

人と人との間には、必ず”見えない壁”が存在しています。前回の話で「人は一人一人みんな別々の生き物。だから、どんな相手だろうと尊重しましょう」と、書きました。

それと、同じ話です。

人は一人一人別の生き物なのだから、人と人の間には、必ず”見えない壁”が存在している。だから、きちんと距離を測りましょう。

ただ、その壁は、いついかなる時も立ちはだかるようにそこにあるわけではありません。自分のテリトリーが侵されそうになったとき、危険を察知し、身を守るためにスッと、どこからともなく現れるのです。

見えない壁の存在を理解して、距離をしっかり保つ

想像してください。透明なセロハンのようなうすいうすい壁です。でも、どんなにうすくてもあなたと友人を隔てている間単に取り除くことはできない立派な壁です。

ただ、その壁は、本当に信頼しあっている間柄や、互いが良好な状態で他愛のない会話を交わしているとき、笑いが沸き起こるような会話を交わしているときには、現れません。

あくまで、テリトリーが侵されそうになったとき、現れるのです。

 

あるとき、仲のよい親友が悩みごとを相談に来たとしましょう。親友は、

「あなたの意見が聞きたいの」

弱り切った表情で相談をもちかけてきます。どうやら、付き合っている男性のことのようです。

その男性は、ふだんはとても温厚な優しい人なのに、仕事で嫌なことがおこると、帰宅後、必ず暴力をふるうというのです。親友は、以前も同じようなタイプの男性と付き合っていました。あなたは、同タイプの男性と付き合った経験はありません。

「どう思う?別れるべきだと思う?カレの暴力はなくなると思う?わたし、どうすればいい?」

親友は、あなたの意見を求めています。同時に、同意を求めています。

もちろん、あなたは、

(さっさと別れりゃいいのに)

と、思っています。そう伝えるべきだと思っています。でも、それを伝えても、親友が反発することもわかっています。

なぜなら、親友とあなたの間には、壁が現れているからです。うすくて透明なセロハンのような壁です。その壁を置いたのは、親友であり、あなたです。

話す側にとって、”相談事”は、もっともプライバシーの深い部分から出てくる内容ですから、相手からテリトリーを侵されたくない。自分から相談を持ちかけていてもです。話される側にとっても、相談となると気のおける間柄でも身構えます。なぜなら、相手のプライベートに巻き込まれる危険性をはらんでいるからです。相手のテリトリーに勝手に取り込まれてしまうという危険性です。

だから、こんなとき、壁が現れるのです。

親友は、あなたに自分と同じような経験がないことを知っています。だから、相談といっても最初から、

「別れなさい」

と、いう言葉は待っていません。なぜなら、

「なぜ、別れた方がいいと思うの?」

そう、切り返す質問にたいして、あなたは親友を説得できるだけの言葉を持っていません。だから、どこかで聞いたことあるような付け焼刃的な言葉しか出てきません。親友もそのことをわかっています。だから、あなたの言葉はセロハンの壁を震わせることくらいはできても、消すことはできないのです。

 

でも、人は弱い

 

とてつもなく、弱い生き物です。

 

答えを期待しなくても話したいのです。聞いてもらいたいのです。同意してもらいたいのです。

でも、テリトリーだけは侵されたくない。

なんと、わがままで複雑な生き物なのでしょう。

(執筆者:心の冷えとりコーチ 風宏)