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「依存症になりかけた株式投資をやめたお話」心の冷えとりコーチング7

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わたしが株を始めたのは、脳腫瘍のリハビリで1年間働けなくなるので、そのために毎月30万円利益を上げようというのが目的でした。

結局、10ヶ月で仕事に復帰し、普通に働けるようになりました。仕事に復帰すれば株はやめる。そのつもりでしたが、一度、切って落とされた火蓋を閉めることはなかなかできません。

株にすっかりハマってしまったわたしは、日々のスリルを止められなくなっていたのです。

今日の記事は、株にはまって自分を見失ってしまい、その株式投資から足を洗ったお話をお伝えいたします。

株式投資の目的がわからなくなる

新興市場の低価格株に一度にうん百万円も投資し、デイトレで50〜100万円の利益を上げることもあれば、一度に500万円の損をするということもありました。

大負けをしたら、すぐに記憶からその事実を消し去り、大勝ちをした時のイメージだけがいつまでも残ります。無意識的にそのような意識付けが出来るようになっていたのだと思います。

ギャンブル依存症の方の話を聞いたことがありますが、わたしの状況は、ほとんど依存症に片足を突っ込むところまで来ていました。

たまたまトータルで利益を上げていたから、自制がまだ効いていたというだけで、もし、負けが込んでたら、一気に崖を転げ落ちていたかもしれません。

当初、運用資金は、わたしにとって泣けなしのお金だったはずなのに、気がつけば、ただの数字になっていました。運用資金はあくまで運用資金であって、どんなに増えてもそれはその日の数字に過ぎず、ガクッと減っても、口座を解約しない限り、今後も変動し続ける数字です。

そもそもの目的が、生活資金を稼ぐためだったのが、仕事の復帰によって、目的がなくなってしまった。じゃあ、次の目的はなんだ?と、なりますが、別に欲しいものもなければ、海外旅行には行きたくても行けない。(術後、しばらくは飛行機に乗ることを禁止されていました)。使う目的がないから、デイトレそのものが目的となって、ただただ刺激を求めているような状態に陥っていました。

今、思い返しても、あの当時、夜中、どんなに原稿で寝られなくても、朝8時前にはかならず起き、パソコンの電源を入れ、チャートブックを開き、ガラケーを開いて準備万端整え、9時から11時半までは茜さんが在宅中でも一言も口をきかず、後場までの1時間の休みで慌てて食べ物を口に入れ、12時半から15時までまた一言も口をきかないという生活でした。

昼間から仕事がある時でも、ガラケーを肌身離さず開きっぱなしで、パケット通信料はいつも数万円にのぼっていました。

それでも、トータルでプラスになればいいわけですから、高いとも思わない。

たまに、茜さんが、旅行の計画を立てても任せっきり。それまでは旅行といえばかならず車で出かけていたのに、

「運転中はデイトレできないから」

と、電車で目的地に向かうようになりました。もちろん、車窓の風景を楽しむ気なんてさらさらない。

ちょうど、その頃、茜さんは密かに、本気で離婚を考えていたそうです。

「話しかけても生返事ばかり。瞬きの回数がどんどん減っていって、目はいつも充血していた。あ〜、この人、お金のために魂売っちゃったんだ〜って思ったもん。この人にとって一番大切なものはお金なんだなって」

「でも、何にも言わなかったよね。『もうやめて』とか、一度も言わなかったよ」

「言われて止められる人はあんなふうにはならないでしょう。止められないからああなっちゃうんだもん。自分で気づくか、お金が底をつかないと止められないのよ。ただ、宏は、元来、借金をしてまで遊びにハマるような人じゃないし、そこまで馬鹿じゃないことはわかっていたから、お金がなくなったらやめるだろうって思ってた」

「それが、逆にうまく行っちゃったからね」

「そう。だから、やめどきが全然わからなくて。この人、お金がなくならない限り、永遠に止めないんだろうな〜って。だったら別れるしかないかって。いくらお金があってもね〜。旅行に行っても全然話さなくてずっとガラケー見つめてんだよ。旅行の意味もないし、そんなの楽しくないもんね〜」

今、思い返しても、あの頃のわたしは、株というよりも、お金というよりも、ただただバクチにハマっていただけなのかもしれません。

そういうものにハマると、人間はどうなるのか?わたしはどうなるのか?

ということを、身をもって経験できたと思っています。

それはそれで、とてもありがたく、私たち夫婦間が完全にダメになってしまう前に、私はなんとか気づくことができました。

「あれ?俺、本当にこんなことをいつまでやっているんだろう?」

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株 < 犬の散歩のボランティア

 

株のやめどきは、意外な形でやってきました。

仕事に復帰して、人並みの生活が送れるようになったとはいえ、失った平衡感覚や左耳の聴力の影響で、運動能力がかなり低下していたのです。

そんな時、リハビリの散歩以来、日課となっていた夜の散歩で毎日歩いていた道の途中に動物病院がありました。

その病院には、夜になって誰もいなくなっても一匹で留守番をしていた犬がいました。ボクサー犬という大きな犬です。その犬のことが気になって、ある時、病院の看護師さんに聞くと、

「病院長が看板犬として飼うことにしたのけれど、家では飼えないと言い出して、結局、家に連れて帰るのではなくて、夜はここで一匹で過ごさせているんです」

と、言うのです。昼間は、看護師さんが少ない時間を見つけて散歩をさせてあげているけれど、一緒に遊んであげる時間もほとんどないと言います。日がな1日、ずっと狭い病院の診察室にいて外を眺めている。夜は、一緒に家に帰るのではなく病院内に放置。

「これって虐待じゃないですか!」

私は思ったことを正直に言いました。

「私もそう思うし、飼えるなら飼ってあげたいんですけど、アパートだし…」

今更、病院長が飼うこともないといいます。そういう人間に抗議したところで、話が通じるとも思えない。

わたしが、暇を見つけて散歩に連れて行くことにしたのです。

暇な時間といえば、デイトレに当てている時間しかありません。だからと言って相手は、大型犬です。生半可な気持ちでは散歩できません。そもそも、わたしになついていないんだし。

初めての散歩は、予想以上に、わたしの思い通りには歩いてくれませんでした。

なんせ、2歳のボクサー犬だから、一番走り回りたい元気盛り。今までのフラストレーションを一気に吐き出すように引っ張るものだから、その力が尋常じゃない。気を抜くとこちらが引きづられます。

1時間ほどの散歩ですが、ほとんど近くの住宅街をウロウロする程度でもうクタクタ。太ももが笑笑震えている。

大型犬を初めて散歩させて気づいたのですが、オシッコの量が半端ない。しかも、メス犬なので、電柱がなくても道のど真ん中で突然しゃがんで、ジャーッと初めてしまう。

ペットボトル一本分の水を使って流しても、道行く人は、「え〜〜〜?」という顔で見ています。

そうか〜、大きな生き物を東京で飼うって、こんなに大変なことなんだ。

初日、ボクサー犬は、きっとこう思ったことでしょう。

「このおっさん誰?リード引くのも下手くそだし。歩きにくいわ〜」

ちなみに彼女はマリアという名前なのですが、翌日も病院に出向くと、態度が全然違っていました。わたしの姿を見るなり、というか、こちらが姿を確認する以前にマリアはわたしの匂いを感知し、わたしが姿を表す少し前からソワソワし始めたそうです。

そして、わたしが病院に入ると、受付の向こうでジャンプジャンプでわたしの到着をオシッコを漏らす勢いで喜んでくれるのです。

そうなると、わたしも嬉しいもので、俄然、張り切っちゃうわけです。週に二日くらいに考えていましたが、あの喜びようを見ると、毎日行かないわけには行きません。

マリアにしてみれば、ずっと病院に閉じ込められてたフラストレーションがありますから、走りたくてうずうずしている。わたしはまだ走ることに不安がありましたが、マリアを走らせてあげたい。う〜ん、どうしたものか?

もちろん、散歩の最中でも株のことは気になって仕方ありません。

ガラケーを片手に”ながら散歩”をしますが、やはり集中なんてできません。

う〜ん、どうしたものか?

7749abb5867dbbcad4935b1739a2a707-325x224マリアにそっくりのボクサー犬

 

デイトレは続けたいけれど、マリアの散歩も毎日続けたい。

デイトレで、同じように勝ち続けたいけれど、マリアの体力をつけてあげたいし、マリアの期待に応えたい。

出ました!これが、いわゆる「欲しい欲しい状態」です。

「与えるから与えられん」

「何かを得たいと思うなら、リスクを負わなければならない」

わたしは、今までデイトレに時間とリスクを捧げてきたから利益を得ることができました。

わたしは、これからマリアに時間と労力を捧げて、自分とマリアの体力を得ようとしています。

デイトレに捧げて来た時間をマリアに捧げるのですから、デイトレに捧げて来た時間の代わりになるものをデイトレに差し出さないと同じように稼ぐことはできません。

とはいえ、代わりに差し出せるものはない。

仕方ありません。新興市場の銘柄を全て手放し、安定株だけで取引をすることにしました。

このことが、急速にわたしから株熱を奪っていきました。

 

「最終的には自転車で並走してマリアを好きなだけ走らせてあげられるようにしよう!」

株の熱が冷めた分、マリアの散歩は徐々に熱を帯び、1日1時間の散歩が2時間となり、徐々に距離が伸び、早歩きとなり、ジョギングとなり、5キロのランニングが10キロとなり、ついにママチャリの登場となったのです。

平衡感覚を失って以来、自転車には一度も乗ってなかったのですが、マリアのおかげで乗ることができるようになったのです。

そして、隣の区にあるドッグランまで30分かけて走り、そこで1時間遊ばせて、30分かけて走って帰る。

そういうパターンが出来上がってきました。

ボクサー犬なのに、ガリガリに細く、関節に床擦れが出来ていたマリアの足は、いつの間にか、ムクムクと筋肉マッチョ野郎のようになっていました。

ドッグランには、昔からの常連さんがたくさんいて、暗黙の了解のようなルールがたくさんあって、マリアのようなボクサー犬はほとんどいないので、最初は飼い主さんから煙たがられていましたが、園内でリードを離すようになるまで、素人なりにしつけをし、飼い主さんたちの理解を得ながらマリアの存在を認めてもらうようにコミュニケーションをとりました。

「猫と違って犬の世界は面倒臭いな〜」

そう思いつつ、実は、わたしなんかより、マナーのなっていない人はたくさんいて、そういう人は、間違った犬のしつけ方をしていて、犬の頭をバンバン叩く人(特に犬のしつけに自信のある人に多い気がします)がたくさんいることにものすごい違和感を感じたりしながら。

気がつくと、マリアと過ごしている時には、株のことを完全に忘れられるようになっていました。

そのうち、奥さんもたまにマリアとの散歩に参加したりなんかして、

「この状態で子供がいたりしたら、なんかいいよね」

この時、奥さんは、

「やっぱりわたしたちには子供が必要なんだ」

そう改めて確信したと言います。

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活きたお金の使い方〜ドッグトレーナーになる

そんなある時、動物病院の看護師さんからこんなことを言われます。

「風さんは犬の扱いがとても上手だし、マリアをここまでしつけられたんだからドッグトレーナーの資格とか取ったらどうですか?すごくいいトレーナーになれると思いますよ」

この一言で、わたしが最初に思ったこと。それは、「ドッグトレーナーになりたい!」でも、「世の中の犬たちと飼い主のために!」でもありません。

「お金の生きた使い方って、こういうことじゃないか!」

わたしは、ドッグトレーナーの資格ではなく、飼い主さんに犬の正しい飼い方、しつけ方を指導する「ドッグアドバイザー』の資格取得を目指すことにしました。

ドッグトレーナーは、犬を飼い主さんから預かり、犬を訓練し、しつける人です。

わたしは、

「どんなに犬が訓練されても、飼い主が犬の正しい知識、飼い方がわかっていなかったら意味なくない?」

そう思っていました。

例えば、代々木公園のような大きな公園に行くと、たまにリードを離した状態でゴールデンレトリバーを散歩させていて、その後ろを自信たっぷりな面持ちで歩いている飼い主さんを見ますよね。そういう人に、

「リードをつけないで自由に遊ばせるのは危険ですよ」

そう言うと、必ずこう反論されます。

「うちの子はトレーニングを受けているから大丈夫」

はい。そうでしょうね。犬は大丈夫なんです。大丈夫じゃないのは、あなたなんです!

もし、犬が突然の音に驚いて走り出したらどうするのですか?その先に足の悪いお年寄りがいて、びっくりしてコケたらどう責任を取りますか?

「犬を驚かした音が悪い!音を出したやつの責任だ!」

そう主張しますか?まあ、実際に、そう主張する人が本当に多いのが事実です。

多くの犬の飼い主さんは、世間の人が全員犬のことが好きだと思い込んでいます。「犬を嫌い」「犬が怖い」そういう人間は頭がおかしいくらいに思っている。人もいます。

でも、そうじゃない。犬が怖い。犬が嫌いという人もたくさんいるのです。

「犬は犬。人間ではない」

案外、そのことを犬の飼い主さんはわかっていません。

「吠える犬を叱っても吠えは100パーセント治りません。なぜなら人間じゃないから。犬だから」

そんなこんなで、学校に通い始めました。

学校は週に1回。水曜日の夕方5時から9時までの4時間。資格取得まで1年間。その間、1頭の犬が担当犬として与えられ、わたしはフラットコーテッドレトリバー犬「ふう」と週に一回、共に過ごすようになりました。資格取得後、そのまま”ふう”を買い取ることもできるのです。

yjimageふうにそっくりのフラットコーテッド

 

活きたお金の貯め方〜子供のために

その過程で、茜さんが妊娠しました。

人生、動き出したら、ありとあらゆることが一気に動き始めます。

 

そもそも、これはお金の話であり、株の話です。

株の話は、

「リハビリ中の生活費を稼ぐため」

ここから始まりました。

今思うと、

「生活費を稼ぐために株を始める」

この発想が全ての始まりであり、この発想が、わたしの株の原点にあったから、大きな失敗をせずに済んだのだと思います。(ま、たまたま運が良かっただけですけどね)

株の行き過ぎたデイトレで、僕の中のよどんでしまった感情に流れを生んでくれたのが、マリアの存在でした。マリアと共に外の空気を吸って、身体を動かすようになったことによって、デイトレからの囚われから解放されました。

わたしの心と身体に正しい流れが戻ると、溜め込んだお金を世間に還元することに導かれました。それがドッグアドバイザーです。

そうやって、心と身体が健全になると、念願の子供ができたのです。

そうなると、溜め込んでいただけで、全く使い道のなかったお金が存在感を増します。

「子供のために貯めなきゃ」

 

株式投資は守りに入ると連戦連敗になる

 

「子供のために」

その意識が芽生えた瞬間から、わたしの株式投資は、全く上手くいかなくなりました。つまり、

「守り」

に、入ったのです。

口座に入っているお金が、変動するただの数字ではなく、「お金」になったからです。

「減らしたくない」

そう思うようになり、だからと言って、今まで上手くいってたので、

「もっと増やせるはず」

そう思うようになりました。

「欲が出たのです」

そうなると、どうなるか、前もお話ししましたよね。

「欲しい欲しい」

と、なります。

「リスクは負いたくないけれど、お金は増やしたい」

 

あんなに上手くいったのに、そう思考が変わった途端、全く上手くいかなくなってしまったのです。

そう考えると、「株は知識や技術だけではない。メンタルなのだ」と、いうことが本当によくわかります。

資産はわたしの想いとは裏腹にどんどん減っていきました。

それでも、株を辞めることはできません。

どこかで、この流れを断たなくては…。

やがて、音ちゃんが生まれ、その一月後にドッグアドバイザーの資格を取得します。

産後の肥立ちが悪かったので、わたしはここでまた3ヶ月の育児休暇を取ります。とはいえ、マリアの散歩にはなかなか行けません。

賃貸マンションに住んでいるので、結局、「ふう」を引き取ることもできませんでした。

「ふう」との別れは涙涙でした。

茜さんの妊娠中、わたしは、何度も考えていました。

「どうやったら「ふう」を引き取れるだろう?家を買うしか方法はないのかな?」

ただ、そう考えてはみるものの、自分が家を買うという実感がどうしてもわきませんでした。

でも、音ちゃんという家族が増えた現実は、わたしの重い腰をあげるには十分な口実となりました。

「株のお金を全て引き揚げて家でも買うかな…」

わたしが株から手を引くには、これしかない。

そう思い始めていました。

お話の続きは、「人を幸せにできる人のところにお金は集まる」心の冷えとりコーチングをご覧くださいませ。

(執筆者:心の冷えとりコーチ 風宏)

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心の冷えとりコーチングはこちらもご覧くださいませ。

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風宏(Kaze Hiroshi)
この記事を書いている人

風 宏(Kaze Hiroshi)

 風宏

心の冷えとりコーチ

冷えとり歴13年目。靴下6枚ばき、半身浴20分。最近お酒がやめられるように変化した2015年2月4日より、女性のための問題を解決するブログを開始。2016年9月GCS認定プロフェショナルコーチ資格取得。女性のための心の冷えとりコーチング講座も開催。