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敷金を取り戻すためにした行動|一人暮らしの女性を襲う不動産トラブル4

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不動産トラブルは、契約書をよく読まないとおかしなことが起こることがあります。そんなときはすぐに聞いてみましょう。もしも、質問して必要以上に相手が怒り出すようであれば、何か不都合なことを隠していることがあるはずです。

今日のお話は、普通の女性が不動産の敷金を取り戻すために、自分の頭で考えて行動するまでをお伝えしています。

あなたの傍に相談に乗ってくれる人がいれば安心ですね。
一人で悩まずまずは誰かに相談することも時には必要です。

前回までのお話はこちらもご覧くださいませ。

敷金を取り戻すための事前準備|一人暮らしの女性を襲う不動産トラブル3突然、大家さんから待機を命じられ、壊した覚えもない場所の修理に敷金を使うから返却はなしだと言われた私の若い女性の知人は、現場を確認しに行くと、そこは更地になっていました。あまりのことに大家さんに連絡を取ると、なんと大家さんは豹変したかのように、怒り出しました。 今日のお話は、どうしても納得ができない私の知人が敷金の返却を求めて戦うまでのお話です。 もしも、トラブルに巻き込まれた時は冷静に。そして、利用できるものは利用することを心の何処かに覚えておくと役に立つことがあるかもしれません。...

敷金取り戻し作戦!じらして、スカして、ホッとさせて、意表を突く急襲

「3ヶ月くらい完全に無視をしましょう。ほっときましょう。電話に一切、出る必要はありません。折り返しする必要もありません。完全に無視です。その間に、Fさんが準備できることはしておきましょう」

それから、オーナーから2週間の間に5度も電話がありました。Fさんはすべて無視。留守電話には、どれも、

「日割り金額は決まりました。クリーニング代は300,000円よりオーバーしましたが、請求はしません。契約終了書にサイン捺印をしていただきたいので、早急に自宅にお越しください。この電話を聞きましたら必ず折り返しください」

と、いう同じメッセージが吹き込まれていて、主張は最初からなにも変わりません。Fさんは、その度に、わたしに聞いてきます。

「折り返し、電話をしなくていいのでしょうか?」

「しなくていいですよ」

「でも、かなりイライラしているみたいで…」

「そういう作戦ですから大丈夫です。折り返し電話をかけてFさんはなにを話すつもりですか?」

「て、いうか、電話をしないと、ますますお金を返してくれなくなりませんか?」

「向こうは、最初から返すつもりはないし、早くFさんのサインが欲しいのです。それさえあれば、すべてが終わると思っていますから。向こうも必死なんです。Fさんはサインをするつもりですか?折れるんですか?」

「ぜったいに折れません。でも…電話がかかってくるのが怖いし…」

「そうやって、恐怖心をあおって、考える時間を与えないようにするのが向こうのやり方なんです。その結果、たくさんの女性が泣き寝入りをしてきたんです。女性にとっては怖いです。その恐怖心から解放されたいですから。でもね、向こうだってFさんのことがものすごく怖いんですよ。こうやって戦う女性に出会ったのは初めてなんですから。だから、Fさんが、この沈黙が、向こうに恐怖心を与えているんです。怖いのは向こうなんです。なんの心配もいりません。一ヶ月もすれば、一切電話がかかってこなくなりますから」

まったくその通りになりました。

オーナーから一切、電話がかかってこなくなりました。日割り家賃は返納されないままでしたが、催促はなくなりました。

(オレは逃げてないということを示せたし、同時に、あれだけ恐怖心を植えつけることができた。もうあきらめたんだろう。よしよし)

さぞかし、そう思っていることでしょう。

一ヶ月も経てば、人間、いやなことは、忘れます。なかったことにしようと脳が勝手に判断し始めます。そして、自分の中で、完全に終わったことになります。

 そう考えたほうが、楽ですから。逃げ果せたと。なんだチョロいと。だから、犯人は、同じ犯罪を繰り返すのです。常習犯はそうやって生まれます。

 

 だったら、そう思わせてあげるのです。Fさんとのトラブルは、完全に過去のこと。そう思わせることが大事なのです。

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敷金を取り戻すという主導権は、常にこちらが握っている。

それからあとは、簡単でした。

Fさんは、まず、最初に、30分無料で弁護士さんに相談できる区民相談室に行って、状況を説明します。

そこで、個人で、内容証明郵便を送って現金の返却を請求する方法と、裁判の少額訴訟制度の存在を知ります。

次に、Fさんは、不動産業務に従事する友人に相談をします。

そして、友人から、

法務局で家の登記簿謄本を取得すること。

区の環境課へ行って、家の取り壊し届けと建設リサイクル法届けがいつ、オーナーから出されてたのかを知るために、その二つの届けの公開請求を行うこと。

を、教えられます。

その結果、次のことがわかりました。

  • オーナーがFさんらに退去を依頼してから2週間後に家の取り壊し届けを提出していること。これはFさんが退去する9日前のこと。
  • Fさんが退去してから、わずか1ヶ月後に家を取り壊していること。

 

このことから、

Fさんが退去する前に、家の取り壊し届けを出した本人が、壁の補修とクリーニングをするはずがない。結果、していない。

と、いうことがわかります。

 

Fさんは、書類のまとめにかかります。

これまで、オーナーからかかってきた電話の通話記録と、わたしとオーナーの通話記録を原稿にまとめ、登記簿謄本や取り壊し届けの書類、賃貸契約書など必要書類をまとめ、

一連の詳細を、時系列に原稿にまとめました。

素人さんにはかなり手こずる作業ですが、時間はいくらかかってもかまいません。

Fさんは時間の余裕があるときに、時間をかけてしっかり作業をすすめました。

気がつけば、退去してから半年の月日が経っていました。結局、それ以降、オーナーからは一度も連絡はありません。Fさんが住んでいた家にはすでに新しい家が建っています。

 

年が明けました。

オーナーにとっては、すでに、遠い過去のこと。Fさんのことすら忘れてしまったかもしれません。

Fさんは、満を持してオーナーに電話をします。

「日割り家賃と、クリーニング代の返却の件です。ずっとオーナーさんからのご連絡をお待ちしていたんですが、いつになったら返していただけるんでしょうか?」

「電話に出なかったのはあなたでしょう!」

「そうなんですか?」

「まあ、それはいい。日割り家賃は取りに来ていただいて、契約終了書にサイン捺印していただいたら返しますよ」

「クリーニング代は返していただけるんですよね?」

「クリーニングはしたので返せません」

「じゃあ、領収証のコピーをいただけますか?」

「見せることはできますが、お渡しすることはできません」

「クリーニングはやったんですね」

「やりましたよ」

「間違いないんですね」

「間違いありません」

「わかりました。じゃあ、また改めてご連絡します」

Fさんとしては、やはり、事を大きくはしたくありませんでした。だから、もう一度、オーナーの意思を確認しておきたかったのです。オーナーはなに一つ、変わっていませんでした。

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敷金を取り戻すために内容証明郵便を送付

Fさんは、内容証明郵便の作成に取り掛かりました。

内容証明郵便とは、文字通り、

郵便局が、書かれている内容を証明してくれる郵便物のことです。

相手に、借金の返済を求めたり、今回のような重要な内容の書類を郵送で送ったとき、あとになって、相手が、「そういうことは書いてなかった」と、言われないようにするために、郵便局が、同じものをコピーして保管し、「その内容で間違いありません」と、証明してくれる郵便物ということです。

Fさんは、友人の不動産屋さんの指導を受けながら、内容証明を自分で作成しました。

その中身ですが、

オーナーが行っている行為が詐欺行為である証拠を示し、期日までに所定の口座に300,000円が振り込まれていなければ、刑事告訴する。

という、内容でした。

オーナーは、内容証明を手にした瞬間から、期日までに、お金を振り込むか、振り込まない場合は、その理由をきちんとFさんに明示しなければなりません。

内容証明には、そういう力があるのです。

そして、内容証明が確かにオーナーのもとに届いたという「配達証明」がFさんのもとに届いたその日、口座を確認してみると、300,000円と、家賃日割り返納分が振り込まれていました。

オーナーのもとに、内容証明が届いたその日に、振り込んだのです。

おそらく、慌てふためいて、銀行に駆け込んだのでしょう。震える手で口座番号を打ち込んで。ただただ、

(どうぞFさんが刑事告訴しませんように…)

と、懇願しながら。

その後、

「契約終了証にサイン捺印してください」

と、何度も言っていたオーナーからの連絡はいっさいなく、未だに契約終了証にサイン捺印はしていません。そんなもの、本当は存在してなかったのかもしれませんね。

(相手は小娘だから、直接、会って恫喝(どうかつ)すれば、簡単に黙るだろう)

そう思っていたんだろうし、そうしてきたのでしょう。

 

でも、もう、そうは思わないでしょう。

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敷金を取り戻すために行動するか、しないか。ただ、それだけの違い

どうでしたか?

Fさんは、特別な女性でしたか?

Fさんは、他の女性に比べて勇気がありましたか? ものすごく機転の利く女性でしたか?普通の女性に比べて行動力がありましたか?

ぜんぜんそんなことはありません。

彼女は、自分が正しいと思っても、恫喝されたら怖くなってシュンとする女の子でした。

負けたくないと思っても、その手段がまったくわからず、右往左往するだけの女の子でした。

行動力が特別勝っているわけでもありませんでした。

ただ、

 ”諦めなかった”

そして、

 ”人に相談する”

と、いう行為を繰り返し、

 ”自分の頭で、考え続けた”

その結果、彼女は、

 ”行動してみると、案外、簡単なんだ”

と、いうことに気がつくことができた。

Fさんは、言います。

「ものすごくきつくて、本当につらかったんです。でも、やり方さえわかったら、ものすごく楽でした。やっぱり、どうすればいいのかわからない。どうやればいいのかわからないってことがきついんです。でも、わからなければ、聞けばいいし、わかったらとりあえずやってみればいい。やったらどうにかなるってことに気づくことができました。いまは、ものすごく自信がつきました。わたしたちがわからなくて困っていることって、世の中にたくさんあるけれど、その中のひとつでも、解決につながる方法がわかったら、それはすべてに通じるんだろうなって、いまは思えるんです。それが、ものすごい大きな自信につながりました」

「じゃあ、この件は完全に終わりだね。よかったね」

「でも、まだ、謝罪がひとこともないんですよね。まあ、予想はしてましたけど。そこは、ちょっと納得してませんけど、いいです。許してあげます」

(執筆者:心の冷えとりコーチ 風宏)

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彼女を自信に導いた風宏の心の冷えとりコーチングはこちらもご覧くださいませ。

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風宏(Kaze Hiroshi)
この記事を書いている人

風 宏(Kaze Hiroshi)

 風宏

心の冷えとりコーチ

冷えとり歴13年目。靴下6枚ばき、半身浴20分。最近お酒がやめられるように変化した2015年2月4日より、女性のための問題を解決するブログを開始。2016年9月GCS認定プロフェショナルコーチ資格取得。女性のための心の冷えとりコーチング講座も開催。