こんにちは。
冷えとりコーディネーターの風茜()です! @kazeakane1
旧岩崎邸庭園は、都立文化財9庭園のうちのひとつです。1896年に岩崎彌太郎氏の長男で三菱第3代社長の久彌氏の本邸として建てられました。当時は約1万5000坪の敷地に20棟もの建物が建てられていましたが、現在では3分の1の敷地になり、現存するのは洋館、撞球室、和館大広間の3棟です。(そしてただいま修復中です。)
今日の記事は、明治期に建てられた旧岩崎邸のインテリアの見所についてお伝えしたいと思います。
旧岩崎邸はジョサイア・コンドル氏の建築
旧岩崎邸洋館
洋館は17世紀のジャコビアン様式(垂直線を強調した中世ゴシック様式と古典古代の規則性のある装飾表現の混在)に、ルネサンス様式とイスラム風のモチーフが取り入れられ、洋館南側は列柱の並ぶコロニアル様式、1階列柱はトスカナ式、2階列柱はイオニア式の特徴があります。(パンフレットより)
洋館南側は現在修復工事中ですが、コロニアル様式の外観です。
明治期にこのような建物が建てられたのはすごいことだと思います。天井が低い日本家屋と違って、洋館は天井高があり、素晴らしい空間です。
撞球室
洋館から地下通路でつながっている別棟のビリヤード場があります。(地下通路は通れません)
撞球室は、スイス山小屋風の建物で当時の日本にはとても珍しい建物でした。内部には金唐革紙の壁紙が貼られています。
壁紙
洋館の壁紙は金唐革紙が施され、ゴージャスな感じですが、金唐革紙ではない壁紙の部分はイタリアの布製の壁紙が使われているようです。保存のために写真撮影できず残念ですが、質感が布でとてもゴージャスでした。明治期の建物の洋館の壁紙にはイタリア製の布の壁紙が使用されていることが多いので、同じものではないかと推測されます。
生活拠点だった旧岩崎邸和館は大河喜十郎の施工と伝えられている
洋館から続く和館は書院造が基調です。政財界の大物の屋敷を多く手がけた大工棟梁大河喜十郎の施工と伝えられています。
欄間の木材も立派で、ところどころにひし形の紋が彩られています。
橋本雅邦の障壁画
床の間や襖には橋本雅邦の下絵を描いたと言われる障壁画が残っています。撮影禁止なのでパンフレットのものを掲載させていただきました。
旧岩崎邸庭園
旧岩崎邸の庭園も見所です。(現在建物は修復中)
江戸期には越後高田藩榊原氏、明治初期には舞鶴藩牧野氏の屋敷であり、この庭は大名庭園の形式を残しています。その後埋め立てられた池部分に芝が張られ、庭石、灯籠、築山が設けられ、「芝庭」を持つ近代庭園の初期の形をみることができます。気持ちの良い空間が広がっています。
旧岩崎邸内のお茶席
この和館の中には喫茶できるスペースもあり、この庭園や中庭を眺めながら贅沢な気持ちでお茶をすることもできます。
メニューは、かき氷やあんみつ、お抹茶などの和カフェ的なものがメインですが、日本鉄道会社副社長の小野義眞(おのぎしん)、三菱の岩崎彌之助、鉄道庁長官の井上勝の三名が共同創始者となり3名の姓の頭文字を採り「小岩井」農場を経営していたご関係から、小岩井農場のチーズケーキなどもいただけます。
日本人よりも、安くていいものを求める外国人がたくさん訪れて楽しむ旧岩崎邸は、見所がたくさんです。需要文化財でいただけるお茶も財閥気分を味わえます。
ぜひ一度訪れてみてはいかがでしょうか?
インテリアも和モダンがとても参考になりますよ。
(執筆者:冷えとりコーディネーター 風茜)
旧岩崎邸情報
旧岩崎邸
- 入園料:一般400円、小学生以下、都内在住在学の中学生無料、65歳以上200円
- 開園時間:午前9時から午後5時まで(入園は午後4時半まで)
- 休園日:年末年始
- 無料公開日:みどりの日、都民の日
- 庭園ガイドあり(無料):午前11時と午後2時
- 交通の案内:東京メトロ千代田線「湯島」下車1番出口より徒歩3分
東京メトロ銀座線「上野広小路」下車徒歩10分
東京大江戸線「上野御徒町」下車徒歩10分
JR山手線・京浜東北線「御徒町」下車徒歩15分
少し足を延ばすと東大が楽しめます。
そして、近所にはかわいいカフェもありますよ。