こんにちは。
冷えとりコーディネーターの風茜です。
読書の秋についで、芸術の秋!
美術館にも出かけてみませんか?
本をテーマとした展覧会がなんと無料で開催されています。しかもとても貴重な書籍です。本は読むだけだと思ったら、その装丁の美しさや本の中に描かれている内容に着目して、展覧会が開かれているなんてびっくりです。
この記事では、
- 本を愛してやまない
- 本に囲まれた暮らしをしたい
という方に向けてのレポをお届けします。
こんな素敵な展覧会を開催してくれてありがとうございます!
なにがすごいかって、もと美術館で働いていたからこそ、そのすごさがわかるんです!
私が仕事目線でレポします。
「世界を変えた書物」展は巡回して、この秋、東京へ
私がこの展覧会を知ったのはSNSのおかげです。
この展覧会は、金沢21世紀美術館(2012)、名古屋市科学館(2013)、グランフロント大阪(2015)を巡回して、そしてこの秋東京へ。
あの金沢21世紀美術館がてがける展覧会なら間違いないでしょう!
この展覧会はSNSではかなり話題になっていました。
なにがすごいのかって!
こんな貴重本を出品しながら、入場料が無料。
短い会期ではありますが、無休。
そして、撮影し放題!
これには驚きです。
美術展を開催するには、広報費、作品輸送費、美術品にかける保険、会場施工費、図録制作費などで信じられないくらいのお金がかかります。
ピカソ級のものは、億単位のお金が動くことだってあるんです。
一番の驚きは、撮影し放題って???
撮影すると著作権問題や保存状態に影響があったりするんです。
それは一体どうなっているの???
金沢工業大学の「工学の曙文庫」
この展覧会は金沢工業大学が所蔵する“工学の曙文庫”から、選りすぐりの稀覯書(きこうしょ)を展示しています。
『工学の曙文庫』は金沢工業大学ライブラリーセンター(KIT-LC)に設置された科学的発見や技術的発明が最初に発表された初版本を体系的に収集した稀覯書コレクションで、現在2000余冊を所蔵しています。
このコレクションは、金沢工業大学の科学技術史や科学技術倫理の教育・研究に活用されています。そして、1982年の開設以降、現在までに約2,000点の蔵書を誇る貴重な文庫として知られています。
稀覯書とは、簡単にいうとレアブックということですね。
少数しか残っていない、制作年が古い、そしてその内容が極めて貴重なもので、初版本などが当てはまります。
そのほか、書物のデザインや装丁が美しく美術的価値を持っていたり、原著者のサインがあるものや、著名人の蔵書であったものも貴重です。
この大学の学生はこの貴重書を読むことができるとは!
「世界を変えた書物」展は見事なゾーニング!
入り口
入り口はワクワク感が大切です。
美術館はディズニーランドのようにわくわくしなければならないと教えてくれた私の先生の言葉を思い出します。
この展覧会は「知の壁」、「知の森」、「地の連鎖」、「知の繋がり」といったゾーンに分けられて、テーマごとの展示が素晴らしいのです!
「知の壁」ゾーン
「知の壁」ゾーンでは、建築関連の美しい稀覯書を堪能することができます。
素晴らしい本棚!
これが金沢工業大学の学生さんたちの手作りとは!
2012年金沢21世紀美術館から始まった展覧会は、会場ごとに箱の大きさも違います。巡回するたびに、金沢工業大学歴代の学生が本棚を作りたしして、東京に設置されました!
もちろん、インスタ映えするので、女子がたくさん写真を撮っていました。
自分の部屋にこんな本棚を置きたい。
一応触ってはいけないけれど、むき出しの展示なんて!
貴重な作品は保存のためや盗難を恐れて、ガラスケースに入れて展示します。
展示ケース前は人だかりでした。
「知」の連鎖ゾーン
「知」の連鎖ゾーンでは、カテゴリーマップが展示され、展示をわかりやすくしています。
入り口でマップはもらえますので、見ながら展示を見るとさらに理解が深まります。
手にとってみることができる場所もあります。
貴重書の複製本を実際に手にとって見ることが可能。
「知の森」ゾーン
暗いムーディな本棚のゾーンを抜けると、知の森ゾーンがあり、明るく爽やかな展示があります。
「知の森」なので、壁に森のイメージの影を投影して、雰囲気を高めています。
「知の森」は1階から2階へ続いており、13のカテゴリーに分けて紹介されています。
こちらは一つ一つの本がケースに入っていますので、人がたまることもなく、とても見やすかったです。
加えて、素晴らしい情報をアシストしてくれるキャプション!
カタログを買わなくてもいいくらい!
理系の書物が多いゾーンでしたが、わからなくてもとても楽しかったです。
映像シアターでは、日本の建築史学者、科学技術稀覯書研究家、金沢工業大学ライブラリセンター館長である竺覚暁先生によるミュージアムトークを観ることができます。
観る価値いっぱいの面白い映像でした。
なお、東京でしかみられない展示コーナーもありました。
個人的には、美術で働いてきた私のバイブルだったジョルジョ・ヴァザーリさんの本があり、うれしかったです。
占いが好きな方には、アルブマサルの「占星術」(初版・なんと1488年)もございます。
「知の繋がり」ゾーン
誰とつながっているのががわかるシンボルモニュメントがありました。
しかも木でできていて、香りがすばらしい!木に文字が印刷されていて、芸がこまかい!
ミュージアムグッズの販売は、東京会場のみです。
しかし、展覧会をずっとみていたら、閉館ぎりぎりになりってしまって、じっくりみれませんでした。
会期中また行きたいと思います。本型のノートが気になりました。
まとめ
混み合いますし、たくさん見るべきものがあるので、お時間に余裕を持って。
写真撮影可能なので、あらかじめシャッター音をオフに。
写真撮影可ですが、フラッシュはNGなので、オフに。
一人で行くと、撮影スポットが激混みでなかなか人に写真をお願いしにくいので、お連れの方がいると写真がとりやすいかも。
茜’s eyes
期間限定なので、ご興味がある方は是非。
本好きの人にはたまらない展示です!
「世界を変えた書物」展
2018年9月8日(土)〜24日(月・祝)会期中無休/入場料無料
午前10時から午後5時まで
上野の森美術館
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