株式投資にハマり、自分を見失うほどのめり込んでいった私が我に返れたのは、子供の誕生でした。
それまでの私は、お金持ちになって、いい車や時計が欲しい、いいものを食べたいという自分の欲を満たすためにお金が欲しかったのです。
ところが、子供の誕生で子供のためにお金を残してあげたいと思うようになりました。
そうです。子供が生まれて初めて、自分以外のためになるお金を作りたいと思うように変化したのです。
今日の記事は、自分のためにお金持ちになりたいと思った男が子供の誕生で家を買いたいと思うようになるまでの変化をお伝えするものです。
そして、人のためにお金を使いたいと思うと、不思議とお金は増えていくのです。
株式投資はギャンブルと似たあぶく銭
「あぶく銭」の「あぶく」とは、「泡」のことです。
そうです。バブルです。
わたしにとって、株で得た「お金」はバブルでした。
あくまで株取引の資金となっている間のお金はバブルだと思うのです。増えたり減ったり、それはお金であってお金じゃない。
もし、あのまま株を続けていたら、文字どおり、泡となって消えていたでしょう。
本当に真面目に株で生計を立てておられる方にしてみれば、それを「あぶく銭」というふうに捉えるのは大変失礼な言い回しだと思いますが、わたしにとっては、やはり「あぶく銭」だったのだと思います。
なぜなら、茜さんが妊娠したとたんに、今まで通りに利益を上げられなくなりました。
「子供ができたんだ。もっともっと頑張って働いて金を稼ぐぞ!」
それが父親ってもんです。男ってもんです。
わたしもそのつもりでした。確かに、本業のライター業は、復帰した途端、ますます力を注ぎ、すぐに収入も増えました。茜さんが妊娠して、音ができたら、もっともっと増えました。なぜなら、それだけ仕事にもっともっと精を出したからです。
しかし、株はというと、どんどん減っていく。
自分では増やしたいと思ってやっているけれど、どうしても上手くいかない。
子供が生まれる前のような大胆さや度胸は消え失せ、安全パイばかり狙うようになって、それが仇となって資産はどんどん減っていく。
「俺だって一生懸命やってるんだ。でも、勝てねえんだ!」
これってもう、パチンコやギャンブルにはまるダメ親父のセリフそのまんまです。
だから、このまま続けると、「あぶく銭」は泡となって消える運命にありました。
そうならないために完全に断ち切る。断ち切りたい。でも、できない。なぜなら、それがギャンブルだからです。
そんな時、現れたのが犬のマリア。そして、娘の音。
二人はわたしに教えてくれました。
「お金は大事だよ〜。でも、もっと大事なものが近くにあることを忘れないでね。お金は大事な人を守るためにあるんだからね〜。お金は、人を幸せにするために使うものなんだからね〜」
お金は大事な人を守るために貯めるものなんだ。
お金は、人を幸せにするために使うものなんだ。
人を幸せにできるから自分が幸せであり、その結果がお金なんだ。
わたしにとって、株で得たお金は、人を幸せにした結果でもなんでもない。
だから、自分も全然幸せじゃない。
これはあぶく銭なんだ。
消えてなくなる前に、株とのラインを断ち切らなくては。
初めて茜さんに、
「よし。家を買うぞ!」
そう宣言したのは、あぶく銭を泡でなくしてしまわないための口実でした。
「どこかで全部使ってしまわないと消えて無くなってしまう」
そうならないための口実にすぎませんでした。だから、茜さんも、
「は?何を言ってるの?今までそんな話ししたこと一度もないじゃん」
そう言って、全く取り入ってはくれません。なぜなら、茜さんも、家を買うということに全く興味がなかったからです。何度も申し上げましすが、彼女は、「物を買う」とか、「資産を増やす」とか、「何々が欲しい」ということに全く興味がありません。
「静かに人知れず、好きな本を読んで暮らせていけたらそれでいい」
と、いう人なので、
家を買う = これから、なんとなく家庭がワサワサと忙しい感じになる。子供が出来たばかりだというのに面倒臭い。
そういうイメージしかわかないのです。
しかし、皆さんもご存知の通り、わたしも一度、言い出したらもう止まりません。
「口座にあるお金を全部はたいて家を買うぞ」
そう決めたら、悩まない。行動あるのみです。
活きたお金の使いかたは自分に投資すること
生きたお金の使い方とは?
まず第一段階は、自分に投資をすることだと思います。
何度も申し上げますが、
お金は、多くの人を幸せにできる人のところに集まってきます。
100パーセントそうなのです。
そのためには、まず、自分が幸せであることが何よりも大切です。
人を思うには、まず、自分を大切にしなければならない。
多くの人を幸せにできる人になるためには、まずは自分にしっかり投資することも大切なのです。
そのために、学校に通う。資格を取る。そういった投資はもちろん。美味しいものを食べる。高い服を買う。一晩中、踊りまくって遊ぶ。
はたから見れば、一見、無駄遣いにしか見えないようなことであっても、
自分を高めるために、自分を人様の役に立てる人間にするために必要な投資なのであれば、そこを躊躇してはいけません。
「わたしには無駄遣いが必要なの。パッと使ったことで、また、頑張ろうって気持ちになれるんだから」
そう確信があるのなら、どうぞ、たくさん無駄遣いをしてください。
一番、いけないのは、
「あ〜あ、あんなにお金を使うんじゃなかった」
とか、
「なんであんなことにお金を使っちゃったんだろう」
と、後悔することです。
後悔するなら、使う前にやめなさい。使ってしまったのなら、後悔なんかするんじゃない!
その無駄遣いが、あなたにとって、投資になるか、単なる無駄遣いに終わるかは、たったそれだけの違いなのです。
後悔してしまえば、ただの無駄遣いですが、
「この無駄遣いもわたしにとっては必要な投資だ」
そう思えば、そのお金は、生きた使いた方をされたことになりますし、実際に、後になって必ず生きてきます。
「あ〜、無駄遣いだ〜。やめときゃよかった」
そう思ったら、あなたの心に芽生えるのはただの後悔です。
「もうやめよう」
そう決心しても、ただの後悔は悲しいかな、必ず忘れてしまうのです。だから、繰り返す。
わたしが、株で大損してもすぐに忘れてしまったように。
でも、
「今は無駄遣いのように思えても、これも何か意味のあることなんだ。この無駄遣いも将来に向かって必ず生きてくるんだ」
そう無理やり思うことによって、この無駄遣いの記憶は確実に残り、その意味を考え続けます。
もしくは、記憶のどころかにとどまり続けます。
それを、「教訓」と言います。
「教訓」となれば、先の人生で、同じような過ちを繰り返しそうになった時に、あの時の記憶が蘇ってくれます。
同じ失敗を繰り返す既(すんで)のところで止めてくれるのです。
結果、それは無駄遣いではなくなるのです。
つまり、考えようによっては、
世の中に無駄遣いはない。
と、いうことになるのです。
そう考えるだけで、使ったお金が自分のところに戻ってきてくれるなんて、こんな素敵なことはありませんよね。
だって、考えてもみてください。
あなたの使ったお金は、必ずどこかで誰かの役に立っているのですから。
犯罪だとか、人を貶めるためだとか、そういう悪意を抱いて使ったのでなければ、必ず誰かのお役には立てているのです。
だからといって、
その無駄遣いが、自分自身や家族や周囲の大切な人を苦しめるような結果になるのは、良くありません。
つまり、人に迷惑をかけるような使い方です。
いいですか?
無駄遣いも自分の投資のためだと思えば、無駄遣いではありません。
ただ、その投資は、自分を高めるためであり、それは、人様を幸せにできる自分になるための投資なのだから、人に迷惑をかけては意味がありません。
人に平気で迷惑をかける人のところにはお金は決して戻ってきてはくれませんよ。
戻ってこないということは、
自分では投資だと思っていても、それは投資でもなんでもない。
それは、いくら自分で正当化しようとしても無駄です。
「いや。これは無駄遣いじゃない。投資なんだ」
そう言い張っても、人に迷惑をかける使い方をしている限り、それは、投資でもなんでもない。無駄遣いでもない。
それ以前の問題です。
ここを間違っては元も子もないのです。
家も投資対象にする
「家を買うぞ!」
と、言っても、わたしにとって、家はただ住むために購入するという考え方は微塵もありませんでした。
家 = 投資
家も立派な投資対象です。
大学を出て就職した会社は、大手不動産デベロッパーでした。結局、サラリーマン生活に馴染めず、わずか1年半でやめてしまいましたが、家は、価値の上がる投資物件であり資産となるということを学びました。
最初に配属された部署はマンション建設用地の取得部門でした。
立地条件はどうなのか?用途地域はどうなっているのか?駅から徒歩何分なのか?いくつの路線を利用できるのか?保育園や小学校までの距離は?病院は?商業施設は?近くにパチンコ店やゲームセンターといった遊興施設はないか?建設会社は信用性の高いところか?近い将来に大規模工事を控えていないか?近い将来の都市計画はどのようになっているか?
ありとあらゆる市場調査を入念に行います。
家を買うのもそれと全く同じです。
「買ってすぐに資産価値が下がる物件を買うのは損だ。だったら資産価値の上がる物件を選べばいい」
その考えに迷いはありませんでした。
そもそも一戸建てを買う気は全くありません。探すのはマンションのみ。新築と中古を併用して探すことにしました。
どうして、一戸建てを買う気が全くないのか?
まず、私たちの資金で購入できる物件を考えた場合、都心の利便性の高い場所で新築一戸建てを買おうと思えば、3階建ての3LDKで80平米くらい。玄関の横に駐車スペースのある建売住宅しか手が届きません。土地を買って鉄筋コンクリート造の注文住宅を建てることは不可能です。
同じ条件でマンションだと、2LDKとなり、少しだけ狭くなります。資産価値で考えた場合、10年後の価値で考えると、建売一戸建ての場合、建物の資産価値はほとんどゼロに等しいでしょう。資産は土地だけです。それに対し、マンションであれば、10年後も建物の資産価値はどんなに悪く見積もっても半額にはなりません。
断然、マンションに軍配が上がります。
都心から少し離れた郊外まで出た場合はどうでしょう。
例えば、新宿駅まで30〜40分くらいの場所で考えた場合です。
一戸建ての場合、同じ建売住宅でも、駅徒歩10分以内で2階建4LDガレージ付きの小さいお庭付きの家が買えます。マンションだと3LDK~4LDK。居住空間は、やはり一戸建てよりは少しだけ狭くなります。
10年後の資産価値を考えた場合、何もなければ、一戸建てよりはマンションの方が少しだけ有利になります。
「何もなければ」とエクスキューズが入るのは、10年後の、都市計画がどうなっているのか?と、いうのが、非常に読みにくいのです。
郊外の場合、すぐ近くに大規模な商業施設ができる可能性もあれば、大きな幹線道路ができるかもしれません。それが、吉と出るか、凶とでるか、その判断はプロでも難しい。
そういう意味においては、都心に近ければ近いほど、10年後の街の姿を予想しやすい。
つまり、将来、転売することを考えた場合、郊外の方が都心より、それだけリスクが高くなるのです。
家は終の住処なのか?それとも投資目的なのか?
あなたにとって、購入する家は、終の住処ですか?それとも、転売目的ですか?
まず、夫婦でそのことをきちんと話し合われることをお勧めします。
「賃貸だとお金がもったいない。だから家を買おう!」
本当に賃貸だと損をするのですか?家を買ったほうが本当にお得なのですか?
買いたい家のそばに保育園はありますか?そこに確実に入れますか?
今の時代、家を購入するためには、そこまで考えなくてはなりません。
大変です。
政治は、社会は何も約束してくれません。自分で全て考えて、自分の責任で決めなくてはならないのです。
もちろん、わたしが家を購入した10年前もそうでした。
一戸建てを購入される方は、当然、そこを終の住処とお考えでしょう。転売することはほとんど考えておられないと思います。20年、30年経ったら建て替えるか、修復しながらずっとそこに落ち着く。
でも、わたしは、田舎育ちの地方出身者です。東京に住んで30年以上経ちますが、どこに住んでも、そこが終の住処になるという感覚が全くないのです。
家を購入しても、「俺の城」とか「終の住処」という感覚を持てないのです。
常に身軽にしておきたい。
動きたいと思った時に動けるようにしておきたい。
それは茜さんも同じでした。
でも、わたしも茜さんも実家は一戸建て。生まれてから一度も引っ越したことはないし、親はずっとそこに住んでいます。
一戸建て=終の住処、という、イメージを拭い去ることはできない。
だから、家を買うと言っても、マンションしか考えられないのです。
そして、マンションであれば、当然ながら、将来の転売を考えます。
10年以内に転売した場合の資産価値は?
10年目以降の資産価値は?
10年後、マンションのある街はどのように変わっている可能性があるのか?より栄えているのか?廃れているのか?
そういう全ての可能性を考慮し、わたしは、いくつもいくつもいくつも物件を回りました。少なくとも、20物件以上は見て回ったでしょうか。
茜さんも、「面倒臭い〜」と、ブヒブヒ文句を言いながらも全部一緒に回りました。
彼女には、独特の勘のようなものがあって、最寄りの駅や住宅地や、公園、マンションのエントランスや部屋の空気。そういったものを肌で感じ、感覚でひとつでも気に入らないと、
「ここヤだ。住みたくない」
たったそれだけ。彼女がそう決めたらテコでも動きません。
そんな彼女が、一つだけ、
「ここいいよ。ここに決めよ」
そう言ったのが、今住んでいるマンションです。
ここに住んで10年経ちますが、資産価値は、購入時の1.4倍になりました。「できれば今すぐにでも売って欲しい」そういう問い合わせが不動産屋さんから頻繁にあります。
わたしの市場調査力と、茜さんの勘の賜物だと思っています。
はっきり言って、茜さんの勘の方がはるかに勝っていますが。
お金は大事です。
家は、買い方によっては、お金を勝手に増やしてくれる資産にもなるのです。
これから家の購入を考えておられる方、将来、家を買おうと思っておられる方は、少しでもこのことを頭の片隅にでも置いておいてください。
お金を使い切って、株式投資で再出発しようとするが...
マンションを買って(一部ローン)、そのついでに車を現金で買って、700万円が残りました。
やはり、株を止めることができなかったのです。
怖いですね〜。やっぱり止めることができないのです。
そして、
「もう一度、この700万円で勝負をかけて5倍にも6倍にもしたるぞー!」
そう自分に言い聞かせて、勝負に出た結果、一瞬で500万円がなくなってしまいました。
忘れもしません。ある取材中、売ろうかどうか悩んでしまい、途中、取材が入って、取材終了後、株価を確認すると大暴落していました。
「ああ〜。ここが潮時だな〜」
そう思ったわたしは、残りの200万円で料理学校に通うことにしました。
そして、仕事の合間、1年間料理学校に通い、美味しいものを食べまくりました。そうやって全ての貯金を使い果たしたのです。
そんな私を見ても、茜さんは何も言いません。
「だって宏のお金だし。借金さえ作らなければいいのよ」
これを機に口座を解約し、一からやり直しました。ライターの仕事だけに専念し、わたしは、口座全ての管理を茜さんに任せました。
今、我が家にどれだけの貯金があるのかないのか、わたしは全然知りません。
わたしは一箇所に留まり続けることが苦手だし、資産価値のあるうちに買い替えて、引っ越したくて引っ越したくて仕方がないのだけれど、茜さんと音が反対しています。
「まだその時期じゃない」
それが茜さんの勘です。
わたしはただただ従うしかありません。
株式投資から離れて思うことはお金は大事ということ
お金は大事です。
そんなことは誰でも知ってます。
でも、誰でもそんなお金を大事にしてるわけではありません。
大事だとわかっているのに大事にできない。
それがお金のもつ魔力です。
その魔力を利用する方法は、一つです。
「自分を人様のために役立てよう」
と、考え実行することです。
一生懸命貯めたお金を「人様にあげよう」などと思う必要は全くありません。お金は自分が使いたいように使えばいいのです。無駄遣いもたくさんしてあげてください。
ただ、使ったことを、後悔だけはしないでください。
その代わり、必ず、感謝してください。
「ありがとう」
と。
お金が入ってくるように願う意味はあまりありません。
そんな暇があったら、
ためになる使い方を考えましょう。
そして、そのお金が人様のためになるであろうことを感謝しましょう。
お金は、
人を幸せにできる人のところに集まります。
子供の誕生時に購入した家は、その後資産価値がものすごい勢いで上がり、購入時の1.6倍の価格になりました。
そう考えると、やはり、お金は私が子供のためにと思って家を購入したからこそ、私の元にやってきてくれたのだと思います。
(執筆者:心の冷えとりコーチ 風宏)
心の冷えとりコーチングはこちらもご覧くださいませ。
風 宏(Kaze Hiroshi)
心の冷えとりコーチ
冷えとり歴13年目。靴下6枚ばき、半身浴20分。最近お酒がやめられるように変化した2015年2月4日より、女性のための問題を解決するブログを開始。2016年9月GCS認定プロフェショナルコーチ資格取得。女性のための心の冷えとりコーチング講座も開催。