ママ友の関係で心配していたのが、図々しい人の標的にされることでした。マスコミでは、車を持っているママ友を運転手がわりに使ったり、夕食どきに家に子供を連れてきてそこでご飯をちゃっかり済ませるなど信じられないママたちの報道があります。私はママ友って怖いなと思っていました。
今日の記事は、ママ友の世界は共通の認識がないということを心のどこかに覚えておけば、もしそんなことが起きたとしてもすぐに対応できるということをお伝えするものです。
今、ママ友世界でお悩みの皆さん、あなたはそのママ友の家来ではありませんよ!
危険がいっぱい
最近の男の子は幼稚園に入るころから、地元のサッカーか、野球チームに所属するというパターンのようで、特に野球なんて、土日の早朝、つばの広いブカブカの帽子で目元のはっきり見えてない男の子が、肩に背負ったバットの先にグローブをひっかけて、ひょこひょこ歩いてグラウンドに向かう姿をよく見かけます。
自転車の後部座席にユニフォーム姿で大きなサッカーボールを両腕に抱えた男の子を乗せて、わき目も振らず一心不乱にペダルを漕ぐママの姿は、男の子よりも気合が入っているように見えます。
なぜ、いま男の子たちは、こんなにもたくさんサッカーや野球をやってるんだ?
わたしも子供を持つまでは、その理由がわかりませんでした。
でも、子供がヨチヨチ歩くようになって、公園に連れていくようになってすぐに気がつきました。子供にはみんな親が付き添っているということを。
そうわかって、毎回公園に行って観察していると、「なんか怪しいな〜」。若い男性やおじさんが一人でタバコを吸いながらボ〜ッとベンチに座っていたりすると、そういう目で見ていたりすることを。
しかも、わたし自身が、そういう目で見られているということにも気づかされたのです。
わたしが住んでいるエリアには公園がまったくありません。だから、広くて遊具が一番充実している公園までいつも40分くらいかけて歩くか、車で行っていました。だから、公園には知っているお友達や親御さんはほとんどいない。
音は、人見知りということをまったくしないので、その辺で遊んでいる子供のところにすすす〜っと寄って行ってすぐに馴染んで遊び始めるのですが、わたしがママたちのそばにすすす〜っと寄っていくわけにはいきません。
だから、一人ベンチに座り、音や音と一緒に遊んでいる女の子をニコニコ笑いながら眺めていたりすると、ふと気がつくと、ママたちから冷たい視線を浴びせられていたりする。休日ということもあって、無精髭を生やして汚い格好をしているとなおさらです。
(いや、わたし、父親だし)
立ち上がり音に近づいてそれらしく見せても、やっぱり怪しまれている。
「父親だって危ない人は危ないから」
たしかに!
わたしは決して危なくはありませんが、危なそうな奴はたくさんいる。
ほんと、子供にとっては、勝手気ままに自由に道を歩くことすらできない物騒な世の中になってしまいました。
「暗くなるまでに帰りなさい!人さらいに合うよ!」
わたしが子供のころはこう言われていましたが、今は、娘に、
「朝だろうが、昼間だろうが、人がたくさん歩いている道を歩きなさい。細い路地なんかには行かないでね!」
しかも、これは女の子だからってことでもありません。男の子だって同じです。
だから、早朝のサッカーや野球だって、親が同行しなければならないんでしょうね。
ママ友の車が絡んだトラブル
サッカーや野球の試合や遠征のとき、マイクロバスが準備できるようなチームだったら何の問題もないのでしょうが、そうでない場合は、親御さんが自家用車のワンボックスカーを準備して、子供たちを乗せていったり、何家族かを乗せたり、と、いう光景をよく見ます。
「うち、ワンボックスカーがあるから、それで行こうよ」
「え〜、いいんですか?荷物とか、たくさんあるし大変ですよ。子供たちも汚れるし」
「大丈夫ですよ。うちの家族もみんな汚しているから、気にしないで」
「ありがとう!」「ありがとね〜」「ほんと、助かるわ〜」
それからというもの、それが当たり前。しかも、休日に、
「みんなでバーベキューにでも行こうか?」
と、誰かが言い出したら、
「車はもうあるから、バーベキューセットは誰が用意する?」
と、完全に当てにされてしまう。
「ごめん。その日はうち、用事があって、いけないんだ」
そう言うと、
「えっ?うそ!それちょっとマジで困るんだけど。だって誰もワンボックスカー持ってないんだよ。じゃあ、この計画無理じゃん」
「ごめん。本当にごめんなさいね……」
必ず、こういうことが一度や二度はおこります。
そして、ふと、疑問に思うのです。
「なぜ、好意で車を出しているわたしがみんなに謝らなきゃいけないの? ガソリン代だって一度も出してもらったことないし…。わたしはあなたたちの運転手じゃないっての! あれ? もしかして、運転手なの? だから、必要とされるの?」
最初は、みんなのために役に立てることがうれしかったはずなのに、人の好意に感謝することもなく、人の車を当たり前のように利用しようとするママ友に対する違和感を突然、感じ始める。
でも、いまさら、
「ガソリン代は折半でいい?」
なんて、言えない。
実は、こういうトラブルはものすごく多いそうです。
「なんで? トラブルになりようがないけど?」
男性同士、つまり、パパの間ではこういったトラブルは基本的には起きません。
「最後にガソリンを入れるから、それで清算しよう」
「ガソリン代はいいから、高速代、出してくれる?」
いわゆる、”割り勘”が、共通認識としてみんなの頭になんとなくあって、会話の流れの中で確認作業がきちんとできるのです。会社の飲み会や誰かの車に乗ってゴルフに行くなど、そういった社会経験が豊富です。
たいていの男性は免許を持っているので、「仲間内で車を利用するときのルール」みたいなものがわかっているし、「お金のトラブル」が一番、尾を引くということも経験上わかっている。だから、最初の段階で自然とルールができあがっています。
しかし、ママ友間では、なぜかそう簡単にはいきません。
なぜでしょう?
ママ友の免許がある人と、ない人の理解の差
お付き合いをしているママ友が全員、運転免許を持っていて、自家用車も持っている。そういう関係であれば、ほとんどトラブルは起きないと思いますが、そうではない場合。
たとえば、ママ友が5人いる。その中で、免許を持っていて、普段から車を運転しているママが一人しかいない場合。そんなとき、他の4人のママには、ガソリン代とか、高速代とか、目に見えない経費に意識が及ばないケースが実は多い。
でも、これは最初にきちんと、車を出せばこれとこれにお金がかかっている。と、いうように説明すればいいだけの話ですが、どうも女性は、そういうことに案外無頓着。
(男性の方が、こういうことに実はきっちり細かかったりします。女性の前では豪放磊落(ごうほうらいらく)に振舞っていても、男同士になった途端、急にセコくなる。そんな男、多いですからね〜。騙されないでくださいね)
最初に言ってなかっただけに、あとからは言いづらいものです。そういう時、一人でも、
「ガソリン代とか、高速代とか、どうなってるの?ちゃんと言ってね」
そう言ってくれるママがいれば助かるのですが、それでも、
「なんで、最初に言ってくれなかったの?」
「ごめんなさい。そういうことに気づかなくて」
「ほんと〜?今まで私たちが気付いてないふりしてたみたいに思われたんだったら、なんか嫌だよね〜」
「そんなんじゃないから。ごめんなさい」
結局、車を出して、経費までかぶっていたのに、なぜか、謝らされている。
でも、そうは言っても、嫌味の一つや二つは払ってさえくれればまだ我慢できます。
ひどいのは、わかっていたのに、しらばっくれているパターンです。しかも、4人が協力してしらばっくれていたりもする。そうなると、その時点で、「いじめ」が始まっている。
そう思って間違いない。
「ガソリン代とか、払わなくていいのかな?」
「いいんじゃない? 彼女が車を出すって言い出したんだし、こっちが頼んだわけでもないんだもん。そういうの込み込みでやってくれるってことでしょう。それでいいじゃん。彼女がお金のことを言い出したらそこでどうするか考えれば」
こういう話、なさそうでしょう? でも、ほんとうによくあるんです。
気をつけてくださいね。
恩が仇になる。しかも、いとも簡単に。
これは、やはり、
社会のルールという共通認識が、しっかり、根付いてないからだと思います。
車を利用するには、当然ですが、交通ルールが伴います。運転手、同乗者もルールに従わなければならない。きちんとルールに従うことができるのか、モラルが問われるわけです。
免許を持っている人は、免許を持っていない人に、きちんとそのルールを教える義務があります。
後部座席の人に、
「シートベルト着けてください」
「後ろも? やだ〜。面倒くさい」
「だったら乗せられない。ごめんなさいね。捕まるの私だから」
ドライバーには、そう言う義務があります。
同乗者に、
「車を出すと、これだけのお金がかかるから、一人当たり、これだけかかるけどいい?」
最初に、同意を得なければいけません。それは、ドライバーの義務です。
わかっておられる方には、当たり前すぎてくだらない話のように思われるでしょう。しかし、本当にこの手のトラブルが多いので、書かせていただきました。
人様のお子さんに対する責任
茜さんのママ友にも、送り迎えや、お預かりを、なぜか率先して”やりたがる”ママが何人かいました。悪意があるように聞こえるかもしれませんが、本当に、やたら”やりたがる”方っているんです。私たちにしてみれば、「なぜ?」。この疑問符がどうしてもついてしまうのです。
そのママが、どこまでの責任感でそのように仰ってくださっていたのか、全然わからなかったからです。
つまり、どこまで責任を取ってくれるのか?
人様のお子さんを預かるということの責任をどこまで取れるのか?と、いうことです。
例えば、音の友達が家に遊びに来る。夕方になって暗くなり始める前に、
「暗くなる前に帰らないとダメだよ」
そう言ってあげるのが、お子さんを預かっているわたしの務めです。
休日に音が友達の家に朝から遊びに行きたいと言う。
「お昼ご飯はどうするの?」
と、聞くと、考えてない。
「だったらお昼ご飯を食べてから行きなさい」
そして、
「暗くなる前、5時までに帰ってきなさい」
そう言ってあげるのが親の務めです。だと、思うのです。しかし、我が家に遊びに来たお友達が、暗くなっても帰る気配がない。
「暗くなる前に帰った方がいいんじゃないの?」
そう言うと、
「大丈夫。家に帰ってもまだ誰もいないし。全然遅くなっても大丈夫だから」
そう言って、平気な顔をしているお友達。(えっ? なにそれ?)と、一瞬ひるみますが、私は、断固として、その言葉を受け付けません。
親から何も聞いてないのに、暗くまで預かる責任はとれないからです。
「お母さんには何時に帰るって言ってきたの?」
「たぶんうちは何時でも大丈夫。どうせ、お母さんは帰るの遅いし」
だからと言って、そこまでの責任はとれないのです。
「じゃあ、家まで送ってあげるから、帰ろう。鍵は持ってる?」
「持ってる」
「じゃあ、お母さんの連絡先はわかる?」
そして、自宅までしっかり送り届けます。
もちろん、誰が来てもそういう対応をするわけではありません。明るいうちに帰る子を家まで送り届けるようなことはしないし、明るくても自宅に誰も居ないという子には自宅まで音と一緒に付き添います。
それくらい、責任の所在というのをはっきりさせておかないと、トラブルになってしまう。
今の時代は、そういう時代でもあると思っています。
ママ友に車で送り迎えをしてもらう側のマナー
先ほどの話に戻りますが、音が5歳の時、保育園のママ友の一人が運転免許を取って、ワンボックスカーを買いました。
「夫が免許を持ってないし、みんなでバーベキューとか行く時に、ワンボックスカーがあれば便利だと思って、わたし、思い切って買っちゃいました。だから、みなさん、何かイベントの時は私が車を出しますから、必要な時はいつでも言ってくださいね!」
みんなの前で宣言しました。
とはいえ、ですよ。
免許取り立てで、大きなワンボックスカーを運転する若葉マークのドライバーです。この車に自分の子供だけを乗せられますか?
わたしは、無理です。申し訳ありませんが、信用できません。
若葉マークの友達であれば、
「ごめん。お前の運転まだ信用できないわ」
と、はっきり言えます。運転が上手な友達であれば、子供だけを預けて遊びに連れていってもらったこともあります。責任がどうのこうのなんて考えません。責任は、明らかに、預けたわたしにあるのですから。
しかし、彼女は友達じゃない。ママ友です。
事故が起きてしまったら、誰が責任をとるのですか?
運転していたママですか?
それとも、
子供を預けたママですか?
よくわかりませんよね。ここでは、法的なことはどうでもいいのです。
自分だったらどう思うか?が、大事なのです。
でも、他のパパやママはびっくりするくらい平気なんです。実際、どこに行くにも、事前に荷物を運ぶ時にも常に彼女のワンボックスカーを彼女が運転をして、たくさんの家族を乗せてピストン輸送。水泳教室に行く時も、送迎バスのように子供たちの家を回って子供たちだけをピックアップして乗せていく。終わると、また、一軒一軒回って降ろしていく。
もちろん、我が家は一度も乗ったことがありません。
それは、
もし、不測の事態が起きてしまったら?
事故が起きてしまったら?
その責任の所在はどこに?
おそらく、事前に取り決めをして、子供をお願いしている親御さんはいないと思います。
では、いざという時、どうするのか?
その話をママ友とは腹を割ってできないので、うちはお断りをしていました。
それが、ある日、ちょと遠場でバーベキューをやろうという話になった時のこと。普段なら絶対に参加しない茜さんですが、比較的仲の良いママに「たまには行きましょうよ」と、お願いされ、音からも「ママ、一度くらい来てよ〜」と、せがまれ、渋々参加した時のことでした。
例のママが、茜さんにこう聞いてきたのです。
「当日、どうやって行くの?」
「うちは旦那がお酒を飲むので電車に乗って行きますよ」
「だったら、うちの車に乗っていかない?茜さんの家、◯◯ちゃんの家に近いからついでだし迎えに行くよ」
「ううん。うちは大丈夫。電車で行くから。ありがとう」
「でも、駅から遠いんだよ。かなり歩かなきゃいけないし、かなり暑いし。着く前に疲れちゃうよ。ガソリン代とか高速代は気にしなくていいから。ね、乗って行きなよ」
「ありがとう。でも、大丈夫だから」
そこへ、一緒に乗っていく予定の◯◯ちゃん家のパパが口を挟みます。
「いいじゃないですか。せっかく乗せてくれるって言うんだから。絶対、そうした方が楽ですって」
「いえ、本当に、大丈夫なんで。わたし、あまり車が得意じゃないので。音も車酔いするかもしれないし」
「そこまで僕たちのこと面倒くさいですか? やっぱり音ちゃんのママって僕たちのこと、嫌いなんだ」
冗談っぽく言ったつもりなのでしょうが、茜さんは、そういう人をからかうようなおもしろくない冗談が大嫌いです。
「そういうことじゃなくて!! 起きないとは思いますけど、渋滞とか事故とか、ないとも限らないし、そういう時、いろいろと面倒なことになるのが嫌なので乗りたくないんです。運転が信用できないとか、責任を取れとか言っているのではありませんよ。リスク回避の原則ですよ」
「なんですか、それ?」
「プロスポーツの選手だって、団体競技の場合、選手全員が同じ飛行機に乗らないようにしてますよね。それと同じです。それと、音はとてもトイレが近いから、途中で何度もトイレに行きたくなるかもしれないし。みなさんにご迷惑をおかけするかもしれませんから、うちは電車で行きたいんです」
「あの〜、余計なお世話かもしれませんけど、音ちゃんママってどうして、なんでもそうやって理詰めで難しく考えるんですか?もっと、簡単に考えればいいじゃないですか?せっかく、乗せてってくれるっていうのに、それを断るのはかえって失礼だと思いますよ」
(はあ? だったら何か? てめえが責任とれるってのか!? 事故が起きて、子供が怪我をしても、お前が責任取るってのか? おめえみたいに無責任に便利とか、楽を押し付けてくる奴がいるから、一緒に乗りたくねえんだろうがぁ! だいたいおめえみたいなやつが、後になって「運転手が悪い!」って言い出すんだよ!)
とは、啖呵を切りませんが、
「失礼なことを言ったのならごめんなさい。でも、やっぱり、車酔いとトイレが心配なので‥。すみません」
そう言って、断りました。すると、そのパパは、わたしの携帯にメールで、
「奥さん、やっぱりノリ悪いですね〜。ちょっと神経質すぎますよ。そういうの、みんな引いちゃうのでパパからも一言お願いします」
そう書いてきました。
なぜ、そこまでして、同乗を押し付けようとするのでしょうか?
やっぱり同乗者を増やさないと経費がかさんでしまうからなのでしょうか?
それとも、
わたしたちの行為を裏切りのように感じたのでしょうか?
暗黙のルールに従わない反逆者だと。
大げさではなく、そういう風に思っていてもおかしくありません。
どんな世界でも、なあなあでズルズルと引きづられるような人間関係が一度構築されてしまうと、その中で、なにか一つをクリアにしようとすると、ものすごい反発を浴びてしまうのは、よくあることです。
「はっきりしたルールなんてないほうがいいじゃん。なによ、ルール、ルールって。そんなの友達じゃないじゃん」
そうです。
わたしたちは、ママ友や子供を介したイベント仲間は、友達とは思っていないのですから。
いずれにしても、わたしたちは電車で行きましたが、これが、茜さんがバーベキューに参加する最初で最後になりました。
(執筆者:心の冷えとりコーチ 風宏)
風 宏(Kaze Hiroshi)
心の冷えとりコーチ
冷えとり歴13年目。靴下6枚ばき、半身浴20分。最近お酒がやめられるように変化した2015年2月4日より、女性のための問題を解決するブログを開始。2016年9月GCS認定プロフェショナルコーチ資格取得。女性のための心の冷えとりコーチング講座も開催。