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敷金を取り戻すための事前準備|一人暮らしの女性を襲う不動産トラブル3

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突然、大家さんから待機を命じられ、壊した覚えもない場所の修理に敷金を使うから返却はなしだと言われた私の若い女性の知人は、現場を確認しに行くと、そこは更地になっていました。あまりのことに大家さんに連絡を取ると、なんと大家さんは豹変したかのように、怒り出しました。

今日のお話は、どうしても納得ができない私の知人が敷金の返却を求めて戦うまでのお話です。

もしも、トラブルに巻き込まれた時は冷静に。そして、利用できるものは利用することを心の何処かに覚えておくと役に立つことがあるかもしれません。

前回までのお話はこちらもご覧くださいませ。

敷金を返してもらえない一人暮らしの女性を襲う不動産トラブル2女性である、若いというだけで不正を行われてしまう。まさに不動産の契約がその一つでもあります。 なぜならば、不動産の決まりを知らないからです。今やネットでいろいろ検索できるようになったので、すぐに知識を得られることができますから、ぜひ契約の際にはきちんと調べて契約をすることです。 今日の記事は、私の若い女性の友人が不動産トラブルに巻き込まれた実例をお伝えしています。...

 外堀を埋めるために不動産会社に事実を確認する

わたしは、オーナーに電話をかける前、不動産屋に確認したいことがありました。

それは、不動産屋がFさんに話した内容。つまり、

  • オーナーが、Fさんら入居者に退去依頼をする前に、すでに家を売ることは決まっていた。
  • Fさんら入居者が退去後、すぐに取り壊しを行うことも決まっていた。
  • 補修・クリーニングを行っていない。

この三点に関して、もし、仮に裁判になったときに証人になって、証言してもらうことが可能なのかということを聞きたかったのです。

不動産屋は、

「仲介契約書がありますから、取り壊しが決まっていたことを証明することはできますが、補修・クリーニングをしたか、していないかについては、『常識的にやるはずがない』と証言することはできますが、実際にやったかやっていないかはわからないので『やっていない』とまでは証言できませんよ。それと、部屋のクリーニングに関してですが、畳代や壁の張り替えを仮にしたとしても、Fさんは5年間も住んでいたのだからそれも経年劣化の範囲です。一部負担をお願いすることはあっても、普通は全額負担ということにはなりません。そこだけ考えてもオーナーさんが言っていることは不自然だと思います。そういうことも合わせて協力できることはしますよ」

まったく、そのとおりです。

『常識的にやるはずがない』のですが、やっていない証拠にはなりません。しかし、それだけで十分でした。

なぜなら、実際に裁判をやることはないからです。

仮に裁判をやったとして、Fさんにとっての利益は300,000円を取り戻すということのみです。しかも、これは、ダマし取られたお金を取り戻すということに過ぎないから、利益でもなんでもありません。しかも、裁判となると、少なくとも3人の委任状が必要になるでしょう。しかし、面倒を好まない3人に反対される可能性もあります。当面、弁護士費用も裁判費用もかかります。仮に裁判に勝ったとしても、それらの費用がオーナー負担となるかどうかは裁判をやってみないとわかりません。

つまり、裁判をしても、Fさんが得られるものはなにもないのです。

ただ、不動産屋が、「証人になって証言してもよい」という言質(げんち)が重要なのです。こちらとしては大いに自信になりますし、オーナーと交渉するうえで、必ず有利に働くからです。

 

大家さんに勝つためにはまずは敵を知ることも大切

電話をする前に、わたしはオーナーが、どういう人間なのか、考えました。

今までの話をきちんと整理すると、オーナーがウソをついている可能性が非常に高い。

そして、そのウソがうまくない。はっきり言って下手です。

こういう類のウソをつき慣れている感じはしません。そのウソがFさんにばれそうになった彼は、脅迫とまでは言いませんが、Fさんに激昂し、一方的にしゃべりまくり、威圧してきました。こういうとき、オーナーが本当に真実を言っているならば、Fさんの疑問には一つ一つきちんと答え、疑いを晴らそうとするはずです。それが、逆に一方的にまくし立て、Fさんの質問を遮るような態度に出るのはなぜか?

ウソがばれた、と、いう自覚があるのでしょう。

だからといって、いまさらウソを認めるわけにはいきません。だから、威嚇、恫喝で恐怖心を与え、黙らせよう。

と、いう意図が見え隠れしているのです。こういう人間は、得てして、

頭の回転がよろしくない。

そして、

気が小さい。

だから、こちらが下手に出て、相手の言い分をしっかり聞く。

という一貫した態度をとっていれば、

必ず、勝手にボロを出します。

 

第三者のわたしが電話をすることで、一気にオーナーの態度が軟化する可能性もあるのです。

ただ、

オーナーが“詐欺行為”を働いていることはおそらく間違いないし、彼自身にその自覚はあるのだろうから、

「ばれたらやばいなこりゃ」

と、とことん嘘を突き通す可能性もありえます。そうした場合、彼の言動の中にある嘘や矛盾をいかに証拠として証明できるか?それが鍵になります。

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次から次へと出てくる敷金についての矛盾

以下、電話でのやり取りです。

風「実は、わたしは報道機関で働いております。不動産トラブルの取材も行うことが多く、少なからず不動産取引に関する知識がございます。具体的にはどのようなトラブルが起きているのでしょうか」

オーナー(以下O)「その件に関しては、全然関係のない不動産屋がFさんにあることないことを勝手に話したことによって、話がおかしくなっているだけであって、わたしとFさんの間にはなんのトラブルもありませんよ」

風『いま、横にFさんおられますが、Fさんがオーナーさんと話すのが怖いと言っているのでわたしがこうやってご連絡申し上げているんですけど、トラブルは何もないと?」

O「わたしが怒っているのは不動産屋に対してであって、Fさんではありませんよ。わたしとFさんの関係はずっと良好だったんです。それが、何の関係もない不動産屋が余計なことを言ったからおかしくなったんであって」

風「その不動産屋さんの話とオーナー さんの話が全然違うので混乱しているみたいですよ。ですから、わたしが代わりにご連絡申し上げてるわけです」

O「Fさんに対しては怒っているなんてとんでもない。わたしはただ、早く家賃の日割り分をお返ししたいだけで、それで契約をきちんと終わらせたいのでそういう話をしただけなんですけどね」

風「そのときのオーナーさんの言葉遣いが、ちょっと、怖かったみたいですよ」

O「不動産屋に対して怒っているということを言ったときにまあ、そう感じてしまったんですかね〜」

風「まあ、それはそれとして、じゃあ、日割り分は返していただけると」

O「もちろんです」

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風「では、クリーニング代の300,000円に関してはいかがですか?」

O「クリーニングだけでなく壁の修理もしてますから、それはお返しできないんですよ」

風「壁は自然に劣化したのではないんですか?」

O「穴があいてますからね。あれは自然劣化ではないですよね」

風「じゃあ、修理前後の写真なり、動画なり、あると思うんですけど、見せていただいてもよろしいですか?普通であれば、オーナーさんの元に写真がなくても、業者さんの元に写真がありますよね」

O「……それが、ないんですよ」

風「ないんですね?……、それはあり得ませんね。業者さんは必ず、写真を撮って記録を残します。わたしは、そういう光景を何度も見てますから。その記録がないのに、修理はしたと」

O「でも、業者さんにもちゃんと見ていただいたし、業者さんも自然劣化ではないと言いましたから」

風「その業者さんを紹介していただけますか?こちらから話を聞きに行きます」

O「ですから、わたしとFさんの関係はとても良好だったんです。わたしがウソをつくはずがないということはFさんに聞いていただいたらわかると思いますよ」

風「ああ、そうなんですね。わかりました。じゃあ、業者さんを紹介していただけるんですね」

O「家も取り壊してしまった今、私の方にはそれを証明する方法がないんですよ」(業者を紹介するとは決して言わない。ここで、ツッコミ過ぎると、業者を捏造するおそれあり)

風「ふつうは取り壊すことがわかっているのに修理、クリーニングはしませんもんね。それをやったから300,000円は返せないとおっしゃるのなら、証拠を示していただかないと」

O「そうなんですよ。でもそれを示す手立てがないのも事実なんです」

風「でも、やったのは事実だと」

O「やりました。でも、修理代は請求はしてないんですよ。請求しているのはクリーニング代だけですから」

風「ああ、そうでしたね。修理代はそちらで持っていただけるんでしたね」

O「そうなんですよ」

風「じゃあ、クリーニングする前と後の部屋の写真はありますか?これもやっぱりないですか?」

O「それがないんですよ〜」

風「それもないんですね。わかりました。じゃあ、業者さんにお支払いした領収証はありますよね。それをファックスなりコピーなりしていただいて、送っていただけますか?」

O「えっ?あの〜、わたしとFさんの関係は本当に良好だったんですよ。不動産屋が変なことを言うからこういうことになっているだけで」

風「はい。それはよくわかりました。領収証はあるんですか?ないんですか?」

O「ありますよ。クリーニングはわたしの身内がやりましたから、ありますよ。ただ、送ることはできません」

風「どうしてですか?」

O「送らなきゃいけない義務がありませんよね」

風「義務?そうじゃなくて、領収証がやったという証拠になるわけですから、見せていただきたいと言っているんですが」

O「現物を見せることはできますが、渡すことはできません」

風「コピーでいいんですよ」

O「なぜ、渡さなくちゃいけないんですか?そんな義務どこにもないですよね(感情的になってくる)」

風「義務うんぬんではなくて、渡せない理由はなんですか?」

O「渡さなくちゃいけない義務がないからです」

風「見せることはできるがコピーでも渡せないと」

O「そうです」

風「わかりました。では、もう一度聞きます。クリーニングはしたんですか?してないんですか?」

O「もちろんしましたよ」

風「では、300,000円のうち、クリーニング代にかかった費用はいくらですか?いくら使って、いくら余ったんですか?」

O「じゃあ、逆に聞きますが、300,000円以上かかったと言ったら、そっちはどうするんですか?」

風「どうするんですかって…。それ、どういう意味ですか?」

O「300,000円以上かかっていたら、足りない分は払ってくれるんですか?」

風「クリーニングされたんですよね?領収証はあるんですよね?だったら、いくらかかったか、おわかりですよね?実際にいくらかかったんですか?300,000円以上かかっているんですか?」

O「かかっていると思いますよ」

風「思いますよって…。領収証あるんですよね」

O「そもそも300,000円でしたっけ?」

風「わたしは知りませんよ。契約書にそう書いてありますが」

O「300,000円ね〜…。わかりました。300,000円の領収証をお見せすればよろしいんですね」

風「クリーニング代にかかった領収証を見せて欲しいんですよ。300,000円ピッタリなんですか?」

O「実際はもっとかかってると思いますよ」

風「じゃあ、クリーニング代に300,000円以上かかった領収証があるんですね」

O「たぶん…探せばあると思いますよ」

風「いま手元にないんですか?」

O「どっかにあるはずなんですよね〜…」

風「よ〜くわかりました。いま、お話ししただいたことをこちらでしっかり精査して、また、改めてご連絡します」

O「とにかく、早く来ていただいて、お金を清算して契約を終了させてください」

風「わかりました。では、金額が決まったらご連絡ください。そのとき、領収証の準備も忘れずにお願いします」

 

途中、いくつか割愛しましたが、これが、わたしとオーナーのやりとりの全貌です。

 

みなさん、どう思われましたか?

 

答えたは、明らかに、

 

 黒  

 

疑いようがありません。

では、次はどうするか?

おそらく、オーナーからは時間をおかずに連絡がくるでしょう。

わたしが、Fさんに言ったことは、

「3ヶ月くらい完全に無視をしましょう。ほっときましょう。電話に一切、出る必要はありません。折り返しする必要もありません。完全に無視です。その間に、Fさんが準備できることはしておきましょう」

そしてこのお話は続きは、一人暮らしの女性を襲う不動産トラブル4敷金を取り戻した行動とは?へ続きます。

(執筆者:心の冷えとりコーチ 風宏)

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※掲載している写真はすべてイメージで、ブログの内容とは一切関係ありません。

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風宏(Kaze Hiroshi)
この記事を書いている人

風 宏(Kaze Hiroshi)

 風宏

心の冷えとりコーチ

冷えとり歴13年目。靴下6枚ばき、半身浴20分。最近お酒がやめられるように変化した2015年2月4日より、女性のための問題を解決するブログを開始。2016年9月GCS認定プロフェショナルコーチ資格取得。女性のための心の冷えとりコーチング講座も開催。