マタハラ

マタハラからのパワハラを許すな!〜非正規社員の育児休暇後〜

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子供を産み育てるということは本当に大変です。想像以上に予期しないことが降りかかりました。私は子供を育てる人をもっと優遇してもいいのではと思います。独身の女性同僚に、「二人目を生むなんて信じられない!」と言われた妊娠中の同僚は、その人の後ろ姿に「介護で苦しめ!」とつぶやいていました。こんな世の中にしないために、制度を整えて堂々と子育てを楽しみたいですよね。本日はもらえる権利を取得した非正規職員だった奥さんのその後をお伝えします。

出産、育休=給料泥棒、懲罰対象

さて、奥さんは無事に、産休と育休があけて、会社に復帰することとなりました。

労働局の定めでは、本来なら、

「出産前にいた部署に復帰しなければならない」(不本意な移動をさせないためにということでしょう)

と、定められていましたが、

奥さんは企画部から運営部という部署に異動となりました。もちろん、例のパワハラ上司の嫌がらせです。

と、いうのも、企画部というのは、会社のイベントを企画、プロデュースする、いわゆる花型部署です。そこから、実際の運営を取り仕切る運営部に異動となったのですから、あからさまな嫌がらせ人事であることは間違いありません。
そこには同じ時期に出産をした正社員の女性も総務から異動となって働くことになったようです。

その時点で、すでに、仮に正社員であろうと、

 出産=懲罰

的な人事が当たり前に行われていたのです。

とにかく、同じ部署に育休明けの女性が2人働くこととなりました。とはいえ、例の上司と働く必要は無くなります。それだけが唯一の救いでもありました。奥さんはそう思っていました。

ところが、運営部の係長Sが難ありの人だったのです。

一言で言うと、上にぺこぺこ、下に威張り散らすタイプの小さい器タイプの人間。例の上司の手下で、上司のコピーのような人間だったのです。
Sは自分の業績をあげることしか頭にありませんでした。それなのに、育休明けの女性が2人も配属されて面白くなかったのでしょう。

この会社では子供が一歳になる前には短縮労働が認められます。

1時間遅く出社するか、1時間はやく退社するかを選択できるのです。

奥さんは、復帰と同時に、娘を保育園にあずけていましたが、0歳児ということもあり、1時間はやく退社することを選びました。当然の権利ですから、使える制度は使います。引け目を感じる必要もないはずです。

しかし、実際は、社員の風当たりがどんどん強くなっていったのです。

「非常勤のくせに、なに利用してんだよ。そんな気持ちで仕事の途中で先に帰られたら非常に困るんだよね」

もちろん、仕事が終わらないのに、それをほったらかして帰るようなことはしませんでした。奥さんは、1時間はやく帰れるように、お昼も取らず、仕事を続けました。それに対して、時間に制約のない社員は残業代稼ぎにと午後の時間をダラダラと過ごし、5時を過ぎてから頑張り始める人が多くいたそうです。その中で、一人でも、今日は用事があるからと定時で帰ろうとすると、「なんで帰るんだ?みんな働いているのに、おまえマジか?」そういう空気だったそうです。

たしかに、わたしにも経験があります。わたしはかつてサラリーマンでした。週末は9時まで残業して同じ部署みんなで飲みに行くという習慣があったので、仮に7時に仕事が終わっても2時間ダラダラと待っていなければなりませんでした。

しかも、奥さんにとってさらに不利だったのが、正社員の育休明けの女性はこの制度を全く使わなかったと、いうことです。

その女性は、自分の両親と同居していました。だから、子供が発熱しても、会社を休む必要がなかったのです。

それに対して奥さんは、どうか?

司からのストレートすぎる暴言

ある日、子供の発熱で会社に休みたいと、電話しました。

すると、係長Sは、

「ああん?誰が発熱?はあ?」

と、かなり威圧的です。

「すみません。子供が発熱で今日は休ませてください」

「はあ?だって、保育園に通ってるんだよね。そのまま預けとけばいいんじゃないの?」

「熱のある子は登園できないんです。すみません」

「じゃあ、今日の仕事はどうするの?誰がやるの?そうやって、子供が熱出すたびに休むわけ?そういうのほんと困るんだよな〜。シャレになんないんだよな〜」

0歳児は、暇さえあれば熱を出すし、体調を崩します。保育園は、そういう赤ん坊を預かってはくれません。当たり前です。病院ではないのですから。

でも、子育てをしない人にはわからないのです。

同じ0歳児の母でも、正社員の女性は、奥さんと同じ理由で休むことは全くありません。

だから、周りは、

単純に奥さんばかり休んでいる。

子供にかこつけて休んでいる。

だから、育休を使う奴は信用できない。

そういう、レッテルを貼るのです。

「子供を理由に好きな時に休めるからうらやましいよ」

独身女性社員は、そう言います。

「わたしだって休みたくないよ」

「またまた〜。わたしだったら子供を理由に風さんみたいに休んじゃうな。だって、ウソついたってわからないじゃん」

女子は女子を助けない 

 

しだいに奥さんは子育ての疲れもあったのでしょう。そのストレスから体調を崩し、咳がとまらなくなり、電話をとることもできないくらいのぜんそくの発作を引き起こすようになりました。

それでもなんとか出社していたのですが、ある日、接客をしていたときに、取引先の相手と現金やりとりがあったときに、計算間違いをしてしまったのです。もちろん、初めてのことでした。

Sは奥さんを呼び出し、こう言いました。

「まったく赤ん坊の世話はできても、計算すらできない!だから、辞めろと言ったんだ!」

そう、取引先や他の社員の前で怒鳴り散らしたのです。
奥さんはこれ以降出社できなくなってしまいました。

まず咳がとまらない。
会社を見ると吐いてしまう。

体調不良を理由に少し休むことにすると、正社員の同期出産女性が、奥さんに電話をかけてきて、こう言いました。

「早く出てきてくれないかな。あなたがいないと私が目立ってしまうから」

そうです。

彼女は奥さんを盾にしていたのでした。

奥さんは自分の甘さを悟りました。

女性同士、同じ立場なんだから助け合える。そう思っていたのは奥さんだけだったのです。

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最後の手段。”負けるが勝ち”の戦法

 

奥さんの咳はとまらず、育児にも支障を来すようになりました。

耳鼻科で薬は処方されるのですが、いっこうに咳は止まりません。

だいたい2週間くらい休んだころだったでしょうか、耳鼻科の先生が、

「こんなに咳が続くのはストレスかもしれない。のどは赤くないから」

と、言います。つまり、ストレス性の気管支炎であると。そして、

「少し休んで、ストレスを解消したほうがいいかもしれない。」

そう言って、診断書を書いてくれました。そして、

「傷病手当金をもらいなさい」

傷病手当金(しょうびょうてあてきん)とは、健康保険法等を根拠に、健康保険、各種共済組合などの被保険者が疾病または負傷により業務に就くことが出来ない場合に、療養中の生活保障として支給する制度(wikkipedia引用)

つまり、

休職しても、最大1年半まで、

1日につき被保険者の標準報酬日額の3分の2に相当する額(1円未満四捨五入)が支給されます。標準報酬日額は、標準報酬月額の30分の1に相当する額(10円未満四捨五入)です。給与の支払があって、その給与が傷病手当金の額より少ない場合は、傷病手当金と給与の差額が支給されます。

奥さんは休み続けました。

 係長Sの上司が事情を聞きたいと電話してきました。

ことの経緯を話しましたが、

「係長Sは言葉は悪いけれど、本当はいい人間なんだ。だから、気にしないように」

”上司”と、名のつく人間の言う言葉はいつもで同じです。

だから、「事を荒立てるな」と。

 どんなときでも男は男の味方です。
 そして、女の面倒くさいイザコザは大嫌いです。できれば避けたい。

それが本音です。

奥さんは結局半年休職したことにより、次の更新はしてもらえませんでした。つまり、クビです。

これを勝ち負けで判断すれば、奥さんは戦いに負けました

彼女は腹の虫がおさまらず、係長に復讐してやるといきまいていましたが、

私がとめました。

なぜなら、

 自分で蒔いた種は自分で刈り取らなければならない。

 金持ちけんかせず。

 負けるが勝ち。

それらの言葉の意味を知っていたからです。

奥さんが辞めて春の人事異動でその係長は閑職に追いこまれたそうです。
自業自得ですね。
そして、奥さんは、休職している間に、本当に自分のやりたいことは何かを考え、退職後、専門学校に通い、インテリアコーディネーターの資格を取りました。学生時代に、専門学校主催の全国大会に出場し、上位3位以内に入賞してニュースにも出ました。

その資格を活かした仕事に就くことができました。

 

これが、

約10年前の、マタハラ、パワハラの現実です。

今と、どうなにが変わったのでしょうか。

たしかに、制度的には、よくなったかもしれない。

たしかに、社会的意識は高まったかもしれない。

しかし、それは、声を上げる女性が多くなって、それに押される形で、制度を作らなければならなくなったから。ようやく法の整備をしなくてはならなくなったから。

まだまだ、そんな段階です。

人間の心までは変わってはいません。

なんども言います。

人の心を簡単には変えられません。

だから、自分が変わらなくてはならないのです。

奥さんは、負けはしましたが、戦うことをやめませんでした。

彼女の名誉のために言っておきますが、仕事は抜群にできます。ただ、世の男性たちが思う”女性的”な女性ではない。(かえって名誉を汚しているかもしれないなこりゃ)。それが男性上司には鼻についたのでしょう。

言いたいことをはっきり言う。すぐに、行動に移す。

そういう女性が、10年前には、まだ少なかったのかもしれません。

でも、いま、声を大にしてもいい時代がようやく来たと思います。

 言いたいことを言いましょう。

 やりたいことをやりましょう。

 自分を変えるのです。

 あなたにはできます

 誰にでもできるのです。実に簡単に。

 でも、できないよ。困難だよ。

 そう言われて、だまされていた。

男性は女性より腕力が強い。それはたしかです。

子供を産むのは女性です。それもたしかです。

昔の家族は親子3世代が当たり前。田舎では親戚共々なんてのも当たり前でした。でも、そこには、すべての家事を女性に任せっきりにするという犠牲が伴っていました。その犠牲があったからこその大家族。社会の秩序がそうやって守られてきたのです。

じゃあ、もともと家事は男性より女性の方が優れているのですか?わたしはそうは思いません。

料理は女性のほうが上手ですか?いまだにそう思っている人は、はっきり言って、どうかしています。

じゃあ、同じ社会で働く

 男性と女性の能力のどこに差があるのでしょう?

 わたしにはわからない。

 だから、もう、だまされるのはやめにしましょう。 

(執筆者:心の冷えとりコーチ 風宏)