こんにちは。
冷えとりコーディネーターの風茜(instagram kazeakane)です。
子供の教育費用はお金がかかります。昨年、中学受験を終えた我が家も莫大な費用がかかりました。特に入試直前、成績がガタ落ちし、直前にテコ入れする必要があったために、義理の両親からいただいていた「まごよろこぶ」を使用して乗り切ることができたのです。あのお金がなかったら子供の今はないので感謝しています。
「まごよろこぶ」は、急遽お金がいるときにはとても助かりましたが、領収書の提出や、使用できる限度額があるという欠点もあります。それでも「まごよろこぶ」がよかった点とは?
今日の記事は、「まごよろこぶ」を実際に使った利点と欠点についてお伝えするものです。
教育資金贈与信託「まごよろこぶ」とは?
「まごよろこぶ」とは、三菱 UFJ信託銀行の教育資金贈与の非課税制度商品です。
簡単にいうと、祖父母が子孫に贈与したいときにこのシステムを使うと税金がかからない(最大1.500万円まで)のです。
このシステムを使わずに多額のお金を祖父母からもらうと税金を払わなくてはならなくなります。
贈与税は、一人の人が1月1日から12月31日までの1年間にもらった財産の合計額から基礎控除額の110万円を差し引いた残りの額に対してかかります。したがって、1年間にもらった財産の合計額が110万円以下なら贈与税はかかりません(この場合、贈与税の申告は不要です。)(国税庁HPより)
例えば500万円もらった場合は、48.5万円も税金を払わなくてはなりません。
教育資金贈与信託「まごよろこぶ」は受験にも適用されるの?
「まごよろこぶ」は、教育資金に関わるものであれば、適用されます。学校はもちろんのこと、習い事でもオーケーです。
入学金、授業料はもちろんのこと入学検定料や定期代や制服も適用されます。
*注意
ただし学校に支払うものは1.500万円までの枠がありますが、学校以外は500万円までです。定期や制服は学校に支払うものではなく、学校が依頼している業者になりますので、こちらの500万円を越えると使えなくなります。
塾代や習い事にお金をかけすぎて、500万円を越えると使えなくなりますので、ご注意ください。
教育資金贈与信託「まごよろこぶ」のメリットとは?
「まごよろこぶ」は、税金がかからない良いシステムということはわかりましたが、それも含めて他にどんなメリットがあるのでしょうか?
贈与税がかからない
せっかく祖父母が贈与してくれるお金を税金に持っていかれることもなく、すべて孫の教育資金に使えます。ただし孫の年齢が30歳までに使い切らなければなりません。30歳の時点で使い切れなかった場合は、残っている金額に贈与税がかかります。
普通に考えても、大学に入れば年間100万以上は使うので、おそらく30歳までには使い切るのでこの点に関しては心配はいりませんね。
祖父母から前倒しで援助をもらえる
今は孫のためにとお小遣いをくれる祖父母もいつ亡くなるかわかりません。また、介護状態になったり、生活環境が変われば、教育資金をあげるねと口約束しても反故になる場合もあります。
確実なのは前倒しでもらうことです。
それに一度「まごよろこぶ」の口座に入金してしまえば、引き出しは孫の親(つまり私たち)しかできないし、祖父母は勝手に解約できないのです。
急にお金を要するときにすぐに使うことができる
中学受験で明日までに入学金と授業料を払わなければならないという事態が発生することがあります。
そんなときに急に大金を準備するために、あちこちから集めてくるので大変ですが、この口座にまとまったお金があれば、ここから使うことができます。
実際、本命の中学の合格発表までに第二志望の学校に入学金を支払わなければならずに、大金を準備する必要もあった方も多数いました。受験の時には不測の事態も起こることも多く、対応のフレキシブルさが求められますので、まとまったお金を1つの口座から引き出せるのはとても助かりました。
また、うちの場合は、中学受験での理社の成績が上がらず、最後の追い込みに個別授業をたくさん入れたので相当お金がかかりました。
教育資金贈与信託「まごよろこぶ」のデメリットとは?
いいことだらけの教育資金贈与信託「まごよろこぶ」ですが、実はこんなデメリットもあります。
利息が少ない
この商品の金利がとても安く、0.055%です。大金を口座に入れているのに、この金利はどうなんでしょうか?
ネットバンクは金利が高く、0.1%のところもありますから、口座に長く入れておけば置くほど金利で差がついてしまいます。
領収書のやりとりが複雑で面倒
「まごよろこぶ」は1年ごとに教育資金でかかった費用の領収書を三菱UFJ信託銀行に提出しなければなりません。
*実際、2017年度の書類のやりとりは、3月に締め切られるので、まだ混み合わない1月に送付したところ、2月に不備で一度戻り、その後2回不備のために再度やり直しをして、今年の6月までかかってしまいました。(締め切りまでに提出してあれば、その後やり直しになっても大丈夫です。)2018年度分は受験があったので、さらに複雑になると思われ、来年のことを考えると憂鬱です。
1年ごとに払い戻しをする必要がある
教育資金を払い出しするのが度々は面倒なので、うちでは1年分をまとめて出金します。それをその年で使いければ問題はありませんが、使い切れない分は払い戻しで口座に返さなくてはなりません。
*最終的には孫の年齢が30歳までに払い戻しをしていればいいのですが、わからなくなってしまうので、1年ごとにすることを奨励します。
ところが、この払い戻しなのですが、自分で計算したものと領収書を出して認められたものと違いが出てくるために、確定してから払い戻しするので忘れがちになりますのでご注意ください。(確定後にお知らせが届きます。)
例えば、100万円を出金して、60万円使用してその領収書を提出して40万円を戻しても、書類提出で計算間違いや認められないもので金額が変わる場合もあります。
名義人は多額出金できるが、名義人ではない親は100万以下しか出金できない
「まごよろこぶ」の名義は基本的には孫ですが、未成年の場合はその親になります。
夫名義にされてしまうと、出金の際に名義人でない妻は100万円以下しか出金できません。大金が必要な場合はなんども日を改める必要があります。三菱UFJ信託銀行はどこにでもある銀行ではないので、探すのが大変ですし、夫の休みが平日でない場合は困ります。
うちの場合は、「まごよろこぶ」は、祖父母の無駄遣い防止対策と遺産相続争い防止対策でもあった
これはうちの家族の場合ですが、「まごよろこぶ 」にしたのは、祖父母のこんな理由があったためです。
お金の問題は様々です。
お金は自分に余裕があるときは問題が起こりませんが、困っているときは揉め事の原因にもなります。お金のせいで家族が絶縁してしまうことだってあるのです。
もしも、祖父母の方がお金に余裕があるのであれば、何気なく孫が頭がいいから大学にやりたいと伝えると、祖父母も喜んでこんな援助をしてもらえるかもしれませんよ〜。
「まごよろこぶ」のメリット&デメリットを知っておけば、うまく活用できそうです。
(執筆者:冷えとりコーディネーター 風茜)
まとめ
「まごよろこぶ」は、孫のためにお金を残したい祖父母の方の気持ちを満足させる商品です。祖父母が健康な場合は、毎年110万円以下の贈与ならば税金はかかりませんが、何が起こるかわからないこの世の中、先にいただけるという点ではとてもありがたいシステムです。
領収書はとりあえず当てはまるものを全て出してみましょう。認められる場合もあります。また1万円以下ならば領収書が必要なく、1万円以下の使用用途を記入する用紙に記入するだけでも大丈夫です。
アプリで行う提出や紙の書類の書き方がわからない場合は、銀行窓口に行きましょう。銀行の方が一緒にやってくれます。
↓うちの中学受験のことはこちらの記事をご覧いただければ幸いです。↓
【本の感想】自分の子供の中学受験と重ねたジャガー横田さんの『父と息子VS.母のお受験バトル』