家庭料理を美味しくするためには、私は脱レシピをおすすめしているのですが、ほとんどの方が冒険はしたがりません。
何故ならば、人は変化が嫌いで安全地帯にいたい生き物だから。
お料理が上達する人は、変化が好きな人なんです。
今日の記事は、料理をどうしても好きになれないあなたへ、料理はこんなに楽しいものということをお伝えするものです。
おかしいかな?と、思ったら、ちょっとだけ変えてみる
「脱レシピ」
家庭料理が進歩するのに、一番手っ取り早い方法は、間違いなくこれです。
レシピに頼らないこと。
自分の目と自分の舌を信用すること。
この二つです。
これは、絶対です!
でも、わかっていますよ。
だからと言って、簡単にそれができれば、誰もレシピなんて頼りません。それができないからレシピに頼るんですもんね。
わたしは、人より少しだけ料理ができるので、よく女性の方から料理についても相談されるのですが、
そういう方には決まって共通点があります。
それは、料理のことになると、なぜか臆病になる、ということです。
例えば、つい先日のこと。
仕事の同僚女性とお通じについての話をしていました。
要は、
「自分は便秘がちで、ヨーグルトをたくさん食べているけれど、一向にお通じが良くならない。風さんはどうしているのですか?」
とのこと。わたしは、
「これは、テレビの受け売りだけど、ヨーグルトをいくらたくさん食べても、自分の体と相性の良い乳酸菌を取らないと意味ないらしいよ。だから、いろんなヨーグルトを試してみて、お通じが良くなるヨーグルトを探してみたら?」
そう言いました。しかし、彼女は、
「それは嫌だな〜。いま食べているヨーグルト大好きだし、他のなんて食べたくないですもん」
そう言うのです。
「でも、お通じを良くしたいから食べているんでしょう?」
「そうなんですけど、他のに変えたくないな〜。だって結局、他のに変えてもお通じがよくならなかったら意味ないじゃないですか」
「でも、変えないことには結果は変わらないよね。じゃあ、どうなるのが理想なの?」
「食べる時間を変えるとか、量を変えるとか、食前に食べるとか、そんなんでお通じが良くなってくれたらいいんですけど。効果あると思います?」
「やってみたの?」
「どうしようかな〜って思って。そんなんで変わるのかな〜。本当は夜とかに食べたくないんですよね」
「やってみたら?」
「そうですよね〜」
正直、わたしには彼女が何に躊躇(ちゅうちょ)しているのか良くわかりません。おそらく、
ルーティンを変えたくない。リズムを変えたくないのだろうと思います。変えて効果がなかったら損した気分になるからだと思います。
でも、やってみて、もし効果があったら、逆に今までずーっと損をしていたことになります。
だから、思ったら、さっさとやってみればいいだけなんですけどね。こういう相談の仕方をしてくる女性が本当に多いんですよね。
料理も人生も同じなんです。
行動しないと何も変わらない。
変わることが第一歩。
変えることが第一歩。
なんでですけどね。
ちなみに、うちでは、ヨーグルトは、茜さんが作っています。
と、言っても、これも健康本(レシピ本ではありません)を読んで、真似てみたら、茜さんも私もハマって、以来、ヨーグルトにかかるお金はグンと減るは、お通じはいいわ、いいことづくめ。
調整豆乳1リットルとR1ヨーグルト1カップ。これを土鍋に入れて混ぜて、弱火で1分。このまま一晩、放置するだけです。(健康本では、無調整豆乳を推奨していましたが、うちでは調整の方が味が好きなので、そうしています)
すると、ほら、この通り。
きれいなきれいなシルクのようなヨーグルトが出来上がるのです。で、お味は?
「R1ヨーグルトと一緒じゃん!」
もちろん、他のヨーグルトでも大丈夫です。うちはわたしがR1の味が好きだからR1にしてるだけ。
そして、これを豆乳ヨーグルトが大好きだという女性に紹介しました。
彼女はすぐに試してみました。きちんとできたし、とっても美味しいと大喜びです。
しかし、先日、このようなことを聞いてきたのです。
「風さん。最近、なぜかヨーグルトが上手にできなくなったんです。固まらないんですよ。豆乳のままなんです。原因がわからないんですけど」
わたしは、こう聞きました。
「ヨーグルト2個入れてみた?」
「ヨーグルト2個? 1個じゃないんですか?」
「今までは1個でも発酵したけど、最近、急激に寒くなったでしょう。だから、1個じゃ発酵しないんだよ。だから2個入れてみたら発酵すると思うよ」
「じゃあ、温める時間を2分にしたらいいんじゃないですか?」
「2分も温めたら死んじゃうよ」
「死んじゃう?何が?」
「乳酸菌が。だって、生き物だから」
「あ、そっか!それ早く教えて下さいよー!」
「ヨーグルト好きなんだよね。だったらそれくらい知ってないと」
「乳酸菌が生き物だなんて考えた事もなかったし」
「好きな食べ物の事なんだから、少しは勉強をしたほうがいいと思うよ」
「は〜い」
好きな料理、好きな食材の知識は、あったほうがいい
「レシピ通りに作ってもいつまでも上手にならない」
その理由に、
「復習、リベンジをしない」「アレンジをしない」
だから、「レシピ通りに作っても自分の味にならないから、そのうち作れなくなり、作らなくなる」
と、前回、書きましたよね。
もう一つの理由があります。それは、
好きな食材や料理の基本的知識がないからです。
ヨーグルトが好きだったら、乳酸菌の正しい知識を持っておいた方がいいです。正しい知識があれば、間違った食べ方はきっとしなくなりますよね。
例えば、
「コラーゲンたっぷりの鍋を毎日食べている」
外食好きの経済的にも余裕のある働き者の女性からよく聞く台詞です。
でも、鶏鍋の上にゼリー状になったコラーゲンをグビグビ飲んでも、ほとんど美肌効果はありません。
人間が1日に吸収できるコラーゲン量は決まっていて、吸収できなかったコラーゲンは全て排泄されています。しかも、吸収されたコラーゲンは骨や関節といった一番必要な部分に吸収されるため、肌にはほとんど効果がないと言われています。
効果的にコラーゲンを吸収するには、一定の量のサプリメント(小スプーン1杯)を就寝前に毎晩飲む。
これだけでいいんです。何も無理して高い水炊きを食べに行く必要はありません。
ちなみにわたしは、数年前、被害にあった交通事故の影響で左膝の半月板を損傷しているので、痛みが出たらコラーゲン注射を膝に直接打っています。結構ぶっとい注射です。しかも、すごい痛い。それでも、
「患部に効果が出るのは、打ったうちのほんの少しの量だけ。気休めに近いんだけどね。打たないよりは打ったほうが効果はあるからね」
と、先生はおっしゃいました。直接患部に注入してもこの程度。
一度に大量に摂取するのではなくて、継続することが大事なんです。
つい先日、テレビで、カルボナーラの作り方が紹介されていました。「LA BETTOLA」(ラ ベットラ)の落合シェフがカルボナーラを作ります。そして、クイズで、
「カルボナーラに絶対に入っているもので、落合シェフが絶対に入れないものと言ったら、何でしょう? 次の3つからお選びください。1卵 2生クリーム 3パルメザンチーズ」
と、いう問題がでました。回答者のゲストタレントは、春日の2を除いて全員1の卵を選びました。
「え〜っ?!」
正直、わたしはなぜそんな間違いをするのかわかりませんでした。
そもそもカルボナーラは卵を食べるためのイタリア料理です。だから相性のいいパンチェッタ(ベーコンのような豚バラ肉)をカリカリに炒めるのだし、イタリア料理だからパルメザンチーズを入れる。生クリームを入れないのも、そもそも当たり前です。
春日は、今やアスリートですから、食材や料理の基本的な知識を持っているんだなと思いました。
では、なぜ、日本人は生クリームを入れるのか?
その方が簡単に作れるからです。しかも、卵、ベーコン、黒こしょう、パルメザンチーズの味がストレートに口の中で主張する本場の味よりも、生クリームを入れた方が卵の味は薄まってしまいますが、全体がまろやかに仕上がって、優しい味になる。とても、日本人向けなんです。だから、子供も大好き。
わたしの娘は、イタリア料理店でのカルボナーラを食べて、ガッカリしてました。
「全然カルボナーラじゃない」
て。
「我が家では必ず生クリームを入れる!だって日本人だもん」
もちろん、それでいいんです。
「だったら、そんなこと知ってなくてもよくない?」
でも皆さん、ちょっと昔を思い出してみてください。
わたしは大学生の時、茜さんに初めてイタリア料理店に連れて行ってもらって、
「サラミやピーマンが乗ったピザはイタリアのピザじゃないんだ!」
てことを知り、
「本当のナポリタン(イタリアではそもそもナポリタンって料理名は存在しない)って、魚介がたくさん乗ったやつ(料理名はペスカトーレ。発祥がナポリ)なの?」
「パスタの麺って、こんなに固いまま食べちゃうの?」
「ミートソース(ボローニャの名物料理ボロネーゼのこと)って、イタリアに行けば、どこでも食べられるんじゃないの?」
て、ことを知りました。もう目からウロコ。今、こんなことを言っている人がいたら、バカにするんじゃありませんか?
だから、
「本場のカルボナーラは生クリームを入れない」
って、ことを知らなくても今は平気かもしれないけれど、いずれ、
「そんなことも知らないの?」
と、言われる日が必ずやってきます。
「カルボナーラを作りたい!」
のであれば、本場の味と作り方を知っておいた方が絶対にいいんです。
そして、
一度知ったら忘れないように心がけましょう。
でも、なぜか、皆さん必ず忘れるんですよね〜。 か・な・ら・ず!
「料理が上手になりたい!」
って、一生懸命料理学校に通っている人に限って、すぐに忘れる。そして、また、一から同じことを繰り返す。
どうしてなんでしょうね?
習慣化
カルボナーラの話を続けます。テレビで落合シェフが、パスタを茹でる大量のお湯の中に、これまた大量の塩を入れる映像が流れました。
「お水に対して1.5パーセントの塩を入れます」
落合シェフが説明すると、スタジオで「え〜!?そんなに〜?」と、驚きの声が漏れます。
え〜!?いったい何回驚いてんの〜?
と、わたしは思わずツッコんでしまいました。
この映像、この説明、今まで何度グルメ番組で見たことでしょう。100回? 200回? いいえ300回? それ以上?
それなのに、まだ、驚く? ゲストもそこまでしてウソ驚きしなくてもいいんじゃない?
そう、うがった見方をしたくなりますが、わたしは、皆さん案外本気で驚いていると思うんです。
それくらい、人って教えてもらったことも、わざわざお金をかけて習ったことでも簡単に忘れてしまうんです。
それは、やっぱり、
変化を恐れるあまり、
新しいことに対して進んで行動しないし、
行動しても習慣化してないし、
本音のところで、興味がないからなんですよね。
「変わりたい!」
と、口には何度も出しても、
どう変わりたいのか?
そして、
変わるためには、何をしたらいいのか?
それをいつやるのか?
そのことが、きちんとビジョンになっていないからなんですよね。
料理がどうしても好きになれないあなたへ
実は、
「料理なんて本当は作りたくない!」
「料理くらい作れないと、いい女だと思われないから仕方なくやっているだけ!」
「外食はお金がかかるから、仕方なく自炊してるだけだもん!」
「作りたくないけれど、専業主婦だから毎日、作らなくちゃいけない。本当は嫌で嫌で仕方がない」
それが、本音だったりするんですよね。
で、それが本音である限り、やっぱり覚えられないし、好きにはなれないし、料理の腕も上がりません。
当たり前の帰結なんですよね。
習慣化していれば、よく作る料理の腕は勝手に上がっていきますが、料理することを好きになれなければ、レパートリーを増やすスピードも新しい料理が上手になっていくスピードも当然、鈍ります。
そもそも習慣化されていなければ、料理が上手になることはありません。
スポーツと同じです。
勉強と同じです。
好きじゃなければ、いくら続けても伸びないし、続ける意味はありません。
好きになれないのであれば、
やっぱり料理をやめるべきだと思います。
朝昼晩、3食の食事のうち、2食を毎日、いやいや作っているとしましょう。
生涯で、いったいどれだけの時間を無駄にすることになるでしょう。
そして、母親がいやいや作った、”いやいや”の気の入った料理を自分も含めて家族はいったいどれだけ食べさせられるのでしょう。
そんな家族の食卓が幸せでしょうか?
幸せでしたか?
わたしの奥さん、茜さんは、
「子供の頃、家族の食卓で幸せを感じたことは一瞬足りともなかった」
そう断言します。
それに対し、今は、
「毎食、楽しくて仕方がない。旅行以外で外食をしたいとは全く思わない」
音は、
「食べることが楽しくないなんて、よくわからない」
成長期の子供にとって、食べることは、好きなことのベスト3に必ず入っています。成長期だから体が24時間求めているだから当たり前です。
その時間が楽しくないというのは、もう地獄です。
料理は、自由です。
誰も強要しません。
あなたの家族が強要しますか?
本当にそうですか?
あなたが、「わたしが作らなきゃダメなんです」
強迫観念を持っているだけではありませんか?
「子供のために手つくりの料理じゃないと栄養のバランスが良くないでしょう。だから、いやだけど作らなきゃ」
子供の成長のために料理を作るあなた ≠ 料理を作らない代わりにその時間を利用してやりたいことをやっているあなた
さあ、どちらのあなたが、素敵なあなたですか?
もしくは、どちらのあなたのことを、家族は素敵だと言ってくれますか?
もし、(<)なら、潔く、料理をやめたほうがいい。
料理を作ることが、誰のためにもなっていないのですから。
でも、もし、(>)(≦) (≧)なのであれば、(≦)の方には、辛いかもしれないけれど、頑張って料理を好きになる努力をしてください。
料理は最初は嫌いでも、継続して習慣化して、その間、面倒臭くても、新しい料理にもチャレンジして。
そういうことを続けていくうちに、
必ず、あなたに変化をもたらしてくれます。
それは、確実にあなたにとって、素晴らしいと思える変化です。
でも、
「続けたけど無理。やっぱりわたしは料理を好きになれない。わたしは(<)こっち」
そういう方は、潔く料理をやめてください。
何か他のことで、輝いたほうがいい。
わたしはそう思います。
日本人は真似と工夫が得意。そこを人生に生かして!
先日、アメトークの『にんにく大好き芸人』で、アンジャッシュの渡部さんが、摩り下ろしたにんにくをバターで炒めてそこに味噌を加えて、蒸して1センチ厚に切ったじゃがいもを入れた料理を紹介していました。
レシピなんて、たったのこれだけです。
全く難しいことはしてません。
「これ、美味そう!」
わたしは、翌日、すぐに作ってみました。しかし、音は、
「うん。美味しい!」
そういった後で、
「なんか…匂いがきつい」
にんにくの香りがストレートすぎて、辛味が出てしまっていました。大人にはこれでも十分美味しいんですが、音には、ちょっときつかったようです。
「そうか〜。ちょっとにんにくが強すぎたね。でも、味はどう?」
「味は美味しいよ。惜しい感じだよね」
子供はにんにく芸人ではありませんからね。そりゃそーだ。
そして、三日後、リベンジです。
オリーブオイルに摩り下ろしたのではなく、同じ量の細かく刻んだにんにくを入れ、とろ火でしっかりカリカリになるまで炒めます。そこに、バターを加えて溶けたらすぐに味噌を入れて、にんにくの辛味を中和すべく、ピーマンを加えました。音はピーマンの辛味は大丈夫なんです。
もう、これが、完璧に美味い!
これで、我が家の新しいメニューがまた一つ増えました。
アンジャッシュ渡部さんありがとう!
ちなみに音は、渡部さんが好きではありませんでした。
「だって、芸人のくせに料理のことばかりやってるじゃん。それじゃあダメだよね」
そんな音に、
「これ、渡部が考えた料理なんだよ」
そう言うと、
「え〜?あの渡部が?自分で考えたのかな?」
「そうだと思うよ」
「やるじゃん。へ〜。ちゃんと役に立ってるんだね〜」
「少しは見直した?」
「うん。見直した」
ほら、たったこれだけで、今まで嫌いだった芸人を好きになる。
料理ってすごいでしょう!
たった一つの料理で、今まで、グルメ番組で渡部さんが何を喋っていてもスルーしていた私たち家族が、今後、彼の言動に注目するようになるんです。
それは、彼が、たった一つの料理で、
私たち家族の食卓を一瞬で、
”あったかい”空気に包んでくれたからです。
これって、ものすごい魔法なんですよ。
新しい料理を一つ覚えることは、料理好きじゃない人にとっては、面倒臭いことです。
でも、たった一つ覚えて、家族や友達や恋人に提供するだけで、
「美味しい!」
と、いう言葉を生み出し、
「ありがとう!」
と、いう、この世で最も素敵な言葉を最も簡単にいただくことができるんです。
料理って、なんて素晴らしいんだろう。素敵なんでしょう。
料理の神様、
本当にありがとう!
(執筆者:心の冷えとりコーチ 風宏)
うちでは豆乳を使ってヨーグルトを作るときには、土鍋を使用しています。これを使って、お米も炊きますが本当に美味しいですよ。こちらはもう2つ目を使用するほど、愛用しています。
風 宏(Kaze Hiroshi)
心の冷えとりコーチ
冷えとり歴13年目。靴下6枚ばき、半身浴20分。最近お酒がやめられるように変化した2015年2月4日より、女性のための問題を解決するブログを開始。2016年9月GCS認定プロフェショナルコーチ資格取得。女性のための心の冷えとりコーチング講座も開催。