離婚原因は十人十色。人の数だけ離婚の形があります。円満に別れられればいいのですが、子供がいたり、プライドがあったり、未練があるととても厄介です。
今日の記事は、私の周りの離婚の原因となった出来事をご紹介します。
離婚したいと考えている方は、ぜひお読みいただければ幸いです。
離婚の主導権
離婚を切り出すのは、圧倒的に女性だそうです。
たしかに、女性は冷めたら行動に移すのが本当早い。こうと決めてからは即決。
潔い!
そう思います。いや、そう思わざるをえません。
なぜなら、潔さでは、断然、女性の方が男性より優っています。
例えば、
女性が離婚を切り出して、それに従わない男がストーカー化していくケースがものすごく多いと思いませんか?
それに対し、
男性が離婚を切り出して、それに従わない女性がストーカー化するという話を聞いたことがほとんどありません(付き合ってもいないのにストーカー化するという話はよく聞きますけどね。追っかけの延長みたいなものなのでしょうか)。
子供のいない夫婦が離婚でもめる場合、その大半は男がごねている。しかも、その離婚原因を作っているのはほとんど男の側です。
女性からしてみれば、
「最近の男は本当にだらしないな〜」
そう、お感じかもしれませんね。
でも、それは最近になっての現象なのでしょうか?
いえいえ、そうではないでしょう。
男がストーカー化していくケースは、わたしが子供の時代から、もしくはそれよりもずっと前からたくさんあったと思います。
でも、昔は、それをメディアや社会が「つきまとい(ストーカー)」問題として捉えてなかったんですよね。
女性が男性に手をかければ、大きな社会問題になりました。妻が夫を殺せば大きな事件として扱われました。愛人が不倫相手の男を殺せば大騒ぎです。「阿部定事件」なんて、まさにそうですよね。
でも、男性が女性に手をかけても、社会が大騒ぎをしない。夫が妻を手にかけてもニュースにもならない。親子間のDVならまだしも、夫婦間のDV(家庭内暴力)なんて、警察は動かなかったわけですから。単なる「内輪揉め」として片付けられていた。
そういう社会構造があったのです。
男がすべてに対して優先されていた時代です。
日本映画に見る男
戦中を除けば、戦前戦後間もない時代でも、日本映画の世界では、男がかっこいいだけの映画ばかりではなく、きちんとそんな男女の関係がたくさん描かれていました。そんな男女とは、だらしない男と強い女です。溝口健二や成瀬巳喜男の映画なんて、ほとんどそんな映画ばかり。ただ、そういう映画は芸術性が高く、世界的評価を受けても、民衆に受けないんですね。その時代にはちょっと話題になっても、時代を超えて民衆に愛されるのは、やっぱり男がかっこいい黒澤映画や高倉健さんや菅原文太さんが活躍した東映ヤクザ映画でした。
「あれが、日本男児の真骨頂だよ!」
なんて、映画館を出ると男はみんな肩をいからせて風を切って歩く。
でも、冷静になって考えてみてくださいい。武士道にしてもヤクザ映画にしても、現代社会おいては、全くリアルじゃない。そもそも、現実社会で同じような現実が存在してほしいなんて誰も望んでない。
あくまで、
「理想としては、男はこうありたいけどね〜」
と、いう虚構の世界に過ぎないのです。
現実逃避のアイテムですね。
現実社会の男
現実社会は、あの健さんが初めて民衆の前に弱々しい姿をさらした『幸福の黄色いハンカチ』なんです。足が短くて顔がでかくて女にだらしない、あの武田鉄矢なんです。
なのに、映画の最後の方では、健さんより、武田鉄矢の方がいい男に見えてしまうのはなぜでしょう(わたしだけかもしれませんが)?
ヤクザ映画の健さんより、情けない健さんの方がかっこよく見えてしまうのはなぜでしょう?
潔くない、結論をズルズルと引き延ばしにしていた二人が、潔くなったからじゃないでしょうか?
その潔さを気づかせ、引き出したのは他でもない。一番、頭が弱くて、ブスでだらしないと冒頭では思われていた桃井かおりだったのです。
二人のいい大人の男が、一番、弱々しい(少なくとも二人の男の目にはそう映っていた)女の子に引っ張られて、どんどんかっこいい男になってゆく。
終わってみると、桃井かおりはものすごくいい女だった。そのいい女の手の上で二人のだらしない男が転がされて、いい男に成長していった。そして、最後の最後で真打が登場します。倍賞千恵子さんです。
どうです!あの黄色いハンカチの数。私の子供の頃、映画館では観客全員が歓声をあげ、拍手して、皆が歓喜の涙を流しました。
潔い!ご近所が見たら、なんて思うでしょうね。
「あら、あの人、人殺しの旦那を待ちすぎて、とうとう変になってしまったわよ」
ご近所の後ろ指なんてなんのそのです。知ったこっちゃない。自分の感情にどこまでも正直で、ストレートに行動に移す。かっこよすぎでしょ!
あれこそが、日本男児、日本女性の真実であり、真骨頂だと、わたしは確信しています。(ただし、勘違いしないでください。倍賞千恵子さん演じた女性の『耐える姿』を見習えと言っているのではありませんよ。彼女の心意気の潔さを讃えているのです)
だから、みんな大好きなんです。あれこそが、世のお父さんやサラリーマンが自分に投影できる健さんなのだから。
男は本当は幼くて、弱くて、常に女性という大きな器がそばにいて、初めて大きなことが成し遂げられる。
だって、男は、常に女性の前でかっこよくありたいのです。
「あの人素敵だよね〜」
そう言われたくて仕方がないのです。
それを社会が今さら、
「うん。そうだよ。男は弱いよ〜」
カミングアウトを許しちゃった。
強いから暴力を振るうのではなくて、弱いから暴力を振るうのだということを理解した。だから、家庭内のトラブルでもちゃんと社会がしっかり監視するようになってきた。
それはそれでとても良いことだと思いますが、もちろん、そのことによる弊害もあります。
社会が「男の弱さ」を受け入れてしまったから、草食系男子や無気力男子がありのままで入れらる社会にもなってしまいました。
グッと踏ん張る必要がなくなったわけです。
「男は強くあらねばならない」
そんな時代にも、草食系、無気力はたくさんいました。でも、頑張らないと女性も誰も認めてはくれなかった。でも、今は、
「それでもいいじゃん。誰にも迷惑かけてないんだし。親や女の子が食べさせてくれるんだし」
そう開き直っても、許してくれる女性ばかり(元来、女性は男性をずっと許してきたんですけどね)。SNSの世界では賛同者がたくさんいる。その人たちとだけ繋がっていれば、反論する声はただの野次馬に過ぎません。
「だって、自分に正直に生きてるだけだし」
「そうだそうだ!」
そりゃ、リアル女子と付き合えない男が増えていきますよ。
離婚を切り出されても潔く別れられない男は、これからも増えて行く一方でしょうね。だって、もともと、男は潔くないのだから。プラス、社会がそんな男たちを受け入れるようになったのだから。
「男女平等」
とは、そういう側面も持っているということです。
だからもっと、女性はこれまで以上にはっきりと声を上げて、行動に移す必要があると、私は思っています。
ご反論を承知で申し上げました。
離婚のパターンは十人十色なれど
ふた組に一組の割合で離婚する時代です。
何も珍しいことではないし、後ろめたさを感じる時代でもありません。
それこそ、
「バツイチ男の方が、一度女に揉まれている分いい男が多い」
そう断言する女性もたくさんいます。
わたしの周囲でも、離婚した友人知人はたくさんいます。でも、その中の男たちは本当にカッコ悪い。
「バツイチ男だからこそ、いい男」なんてことは絶対にないのだけれど、それを開き直るのではなくて、そういうカッコ悪い部分を正直にさらけ出せる男の方が、母性の強い女性には魅力的に見える。そういうことなのかもしれません。
ただ、バツイチ男になるプロセスは、やっぱりカッコ悪いですよ。やっぱフラれるべくしてフラれています。決してカッコいいものではありません。
周りの離婚の例
【宗教の違いから離婚】
結婚後、夫が新興宗教にハマり、教団に言われるままにお布施を払っていて、自分の貯金や給料だけでは賄いきれなくなって奥さんの貯金にまで手を出してしまいます。その結果、奥さんの貯金も全て使い果たしたタイミングで奥さんにバレて、奥さんはすぐに離婚を切り出します。
夫は「別れないでほしい」と、懇願します。奥さんは、「宗教を捨てるか、私を捨てるか?」と、夫に選択させますが、「どちらも捨てられない。どちらも俺にとっては命よりも大切なんだ」と、訴えますが、「どっちも欲しいなんて虫が良すぎる」そう言って、奥さんは離婚を決意します。慰謝料も使われてしまった貯金の返金も請求せずに。
【夫の浮気から離婚】
共働き夫婦の新婚カップルの二人。
1年にも満たないあるお昼。奥さんは体調を崩し、早退して帰宅します。合鍵を使って家に入ってみると、夫と知らない女性がベッドに。女性は奥さんも顔見知りの夫の会社の同僚でした。
どこかで聞いたような話ですが、このパターン。実は、本当に多いです。
「あんな瞬間に遭遇したら人間ってどうなるか知ってる?怒りも悲しみもないんだよ。ただただびっくりして、目の前で起きていることが何なのかよくわからなくなるの。夫が何だかわけわかんないこと言い訳してたけど、聞いちゃいないし。そして、すべての感情が削げ落ちたようになって、夫の愛情も最初からなかったような感覚になって、『あれ?わたし、何でこんな男と一緒に暮らしてんだろう?さっさと別れよ〜』て。そんな感じ。だから、判を押して離婚してそれで終わり」という感想でした。
【妻の不倫】
結婚20年目の共働き夫婦には一人娘がいます。まだ小学生。しかし、夫は、妻との離婚を決意。原因は「妻の不倫」でした。
奥さんも「不倫」を認め、離婚には同意しますが、親権を争うことになります。
と、いうのも、彼は彼で、それまで幾度となく浮気と不倫を繰り返し、ほとんど家庭を顧みない男性だったのです。しかし、娘が生まれて改心し、浮気を止めていました。とはいえ、その当時の彼の女癖は本当にひどく、「今、俺には浮気相手が3人いる」などと、周囲に自慢げに吹聴しているような男性だったのです。
その時の印象があまりに周囲に強く残っているため、親権争いの裁判では、共通の知人は全員奥さんの側についてしまいます。
これは、彼にとっては大きな大きな誤算でした。浮気や不倫は彼にとっては過去のこと。妻の不倫は現在進行形です。
当然、勝てるものとばかり思っていたのです。しかし、裁判の結果は、「親権は妻側にある」。夫は、不服として現在も係争中です。
本当に離婚は十人十色です。
うまく別れることができたら、次の人生に進めますが、厄介な離婚もあります。
続きは、離婚について5「離婚後、元旦那からの嫌がらせストーカー」をご覧くださいませ。
(執筆者:心の冷えとりコーチ 風宏)