保育園時代のママ友には実にいろいろな人がいました。おかしいなと思ったタイプは、ママ友と仲良くするのではなく、パパとばかりコンタクトを取ろうとするママ、自分の妻の悪口ばかり言うパパ、個人情報を知りたがるなど実に多種多様なママ友ばかりでした。
今日のブログは、そんなママ友の世界を私たちがどのように切り抜けたのかをお伝えするものです。
いや、本当に大変でした...
妻の悪口をいう夫を持つママ友
音の友達、カズ子ちゃんのママは、なぜかパパとしか連絡を取リません。
そんな彼女のことを、ご主人は、かなり見下している感じでした。普段は物静かなおとなしい方ですが、お酒を飲むといつもそういう愚痴が始まります。
おっさん同士のお酒のネタとして、
「うちの嫁はさ〜‥」
は、定番です。お小遣いのことやちょっとした喧嘩の愚痴だったり、奥さんのことをやたら恐れていたり。
笑える話ってのは、やっぱり言葉のどこかに愛が感じらるものです。こちらも聞きながら、
「なんだ。結局、好きなんじゃねえか!」
と、ツッコむこともできます。
しかし、カズ子ちゃんパパの言葉には、どうも愛が感じられない。愚痴というよりは、バカにしている。
わたしの親世代は、そういう男性がたくさんいました。男の不器用さの現れなのかもしれませんが、それも言葉の端々に愛を感じるところがあればこそです。
たとえば、わたしの父は家では母のことを、
「おまえは本当にアホやの〜」とか、「バカかおまえは!ええかげんにえせ〜」と、口癖のように怒鳴りつけていますが、そういうときの母の反応は、「はいはい。どうせ、わたしはバカやけね〜」それに対し、父は、「そうじゃ、おまえはバカじゃ。風邪ひいとんのに、いつまでも家事やって。そんなことせんで、ちゃんと寝とかんか!」要するに、母のことを労って言っていることが多いのです。風邪気味だというのに、いつまでも家事で忙しく立ち働いると、「はよ休めって言いよるやないか!風邪もっとひどくなるぞ!ほんとバカやの〜おまえは」みたいな。
本当にバカにして言っていることもありますが、なんか笑える。それが、お互にとって最もスムーズなコミュニケーションなんですよね。
だから、父が人前で母のことを「バカ」と、言うことはありません。
もちろん、わたしもありません。
「うちの奥さん、怖いので〜」
そう言ったことは何度もありますよ。でも、茜さんとの本気喧嘩の具体的な中身を人に話したことはありません。茜さんと朝から喧嘩して、仲直りしないまま、ムカムカしたまま1日を過ごすことだってあります。でも、だからと言って、その気持ちを感情のままに人に話すようなことはありません。
それは、
男としてかっこ悪いという思いがあるからです。
家や奥さんのことを悪くいうことは、すなわち、そのまま自分の価値を下げることに他ならない。
では、わたしのように尻に敷かれている姿はどうか?
少なくとも、カッコ悪いとは思いません。
だって、
- 男は女房の尻に敷かれてなんぼ。
- 上手に尻に敷かれてこそ男。
わたしはそう思っています。
カズ子ちゃんパパは亭主関白なのかもしれない。
でも、彼の言葉には、愛情が感じられないのです。言葉に険(けん)があります。氷柱のようです。
彼が正直すぎるだけなのかもしれませんが、男のそういう姿は、かっこ悪いものです。
自分が恋をして、おそらく、自分から結婚を申し込んで、家庭を築いて、子供ができて、家族というのものが作り上げられていく。
家族はひとつであり、
奥さんや子供の姿は、自分の姿の投影です。
奥さんという存在は、
「わたしが好きと感じて、一生一緒に過ごしたいと決心を固めた女性です」
その女性のことを見下している姿というのは、言い換えれば、自分自身を見下していることに他ならないと思うのですが、いかがでしょう?
「あいつは本当にダメな女でどうしようもないんだよ」
そういう女性にしているのは、夫の責任でもあるのです。ダメな女性とわかっているなら、どうして一緒になったのですか?だったら、どうして、ダメじゃないように一緒に頑張らなかったのですか?
「ダメな女を女房にしている旦那」が、かっこ悪いのではありません。それを人前で、恥ずかしげもなく口にする男がダメなのです。かっこ悪いんです。
「わたしは子供に興味もてないんです」
と、公言するヒロ美ちゃんパパと同じです。
そんな自分に許しを乞うている。そんな自分に甘えているに過ぎない。
仮に、離婚でモメていたとしても、それを、親友でもない知人にお酒の席で話すというのはどうでしょうか?やっぱり、カッコ悪い。わたしはそう思う。
それくらいの、プライドはあったほうがいい。
そう思います。
「うちの旦那はだらしなくてさ〜。あいつ最悪」
女性も同じようなことは言います。そんなだらしない旦那を生涯の伴侶に選んだのはあなたです。
でも、女性は、それを友達にいうことで、スッキリ笑い飛ばしたい。女同士で言いたいことを言い合って、
「でも、あの男にはわたしがついてないと、ほんとにだめだからさ〜」
最後には、惚気(のろけ)になっていたりする。それが、女性です。悪口が悪口で終わらない。
そういう意味では、女性のほうがスッキリしている気がします。
パパとしか連絡を取らないママ友
パパとしか連絡を取らないママがもう一人います。
ヒロ美ちゃんママです。自分の娘が「愛想がない。自分に似ていない」と娘の目の前で人に言うママ。
わたしに会うと、必ず、
「音ちゃんは愛想がよくていいよね。それに比べてヒロ美は愛想がないから。ほら、ヒロ美、挨拶をして。たまにはニコッとしなさいよ、あんた〜」
そう言われて子供がニコって心から笑うはずもないのに、平気でそういうことを言うママ。
彼女もまた、パパとばかり、コンタクトを取ろうとする。
カズ子ちゃんママとの違いは、パパママたちが大勢いるところでも、ママ友の中にいるのではなくて、パパたちばかりと話をしています。
ヒロ美ちゃんパパはとても忙しい方なので、ほとんどそういう場に顔を出すことはありませんが、一年に一度か二度。本当にたまに顔を出したときには、ママはパパのそばにぴったり寄り添って、とても仲がよさそうにしています。
でも、わたしは、そんなヒロ美ちゃんママから、とんでもないことを聞かされました。もう、数年前のことです。
あるイベントで、たまたまわたしとヒロ美ちゃんママが隣同士になったときでした。
最初は、世間話をしていて、あいかわらず、「どうやったらヒロ美はかわいくなるんだろう? 顔はわたしに似て悪くないと思うんだけど、愛想がね〜。愛想さえよければ、美人だと思うんだけどね〜」
なんて、無神経なことをぐちぐち言ってました。だから、わたしも1対1という気安さから、
「そんなことないですよ。ヒロ美ちゃんは美人ですよ。愛想も悪くないですよ。他の子と比較したら、おとなしいかもしれないけれど、愛想がよけりゃいいってものでもないし。個性ですからね。個性を認めてあげることですよ。とりあえず、ヒロ美ちゃんの目の前で、『愛想悪い』って言うのと、『音ちゃんはいいな〜』って言うの、やめましょう。あれ、よくないですよ」
「あ、やっぱり。だよね〜。いけないよね〜。わたしも言っちゃいけないってわかってるんだけどさ〜。言っちゃうんだよね」
「あれは、傷つきますよ」
「そうだよね〜。ウンウン。わかった。反省反省」
(ん〜。この人、本当にわかってんのかな〜?)
「そうだね。わたし、もっときちんとしないとね。旦那とも別れるし」
「えっ!?別れるんですか?」
「ん?たぶんね。別れることになると思うよ」
「そうなんですか?」
「だって〜。ほとんど家にいないんだよ。外でなにやってんだかわかんないけど〜。結局、今も母子家庭みたいなもんだし。と、いっても、下の子が小学生にあがるまでは我慢するけどね。それでも、変わらなかったら別れるな、たぶん」
「そうなんだ〜」
「あ、旦那には言わないでね。まだ、先の話だし」
「もちろん。そんなこと言えませんよ」
ご主人には言いませんけど、茜さんには言います。茜さんは呆れた顔をして、こう言います。
「なんで、わたしと仲が良くもないのに、あなたにそういうこと言うんだろうね。そういうところなんだよね、あの人の嫌いなところ。だって、わたしと仲良くないんだよ。そんなことあなたに言ったら、わたしに伝わることくらいわかると思うんだけど。だから、計算しているってわけでもないんだよね。とにかく、軽すぎるのよ」
「ご主人にわたしの口から、それとなく言ってもらいたいのかな?」
「普通はね。普通、そういう話をしたら、あなたの口から自分の旦那に伝わることを予想して話すと思うんだけど、あの人がそこまで考えてるとは思えない。それをやるんだったら、もっとご主人と仲の良い人に話すでしょう?」
「気まぐれなのかな?」
「ノリ」
「ノリ?」
「そう。ただのノリ。ノリで本当は思っていないことを言ってしまう。その場の勢いって言うか。あなたに『子供の前でそういうことを言わないほうがいい』って言われて、とっさに出た言葉って感じがしない? 女子にはいるの。そうやって、ノリで悲劇のヒロインみたいのを演じて、勝手にかき回す人が。その場さえ、自分が中心で気持ち良く話ができたら、それで満足しちゃう人。だから、嘘も平気でつけちゃう」
「嘘なの?」
「たぶん。絶対に離婚なんかしないと思う。悲劇のヒロインを演じるのと、本当の悲劇は全然違うもん。あの人が、ご主人というブランドを手放すとは思えない。それに本当だったとしたら、あのプライドの高い人がそう簡単に重大なことを言わないでしょうし・・・・。」
「まあ、確かにご主人は社会的には立派な人だもんね」
「そう、彼女はそういう派手なブランドに自分の娘の容姿が当てはまっていないから、満足できないだけ。本当にあの人は信用できない。だから、わたしは彼女とは口をききたくないの。いつもガックリするから」
「面倒くさいね」
「面倒くさいよ。たくさんありすぎて細かいことは忘れたけど、とにかく、彼女はいい加減なの。たとえば、道でばったり会ったら、『明日はお弁当を持っていかなきゃいけないらしいわよ』って言われて、音に持たせたら、お弁当が必要だったのは一週間後のことだったり。それで、間違いを指摘したら、『え、わたし、今日なんて言ってないよ。一週間後って言ったじゃない。間違えを人のせいにしないでね』みたいな。いつもそんな感じ。もうどれだけ騙されたか多すぎて思い出せないわよ。こっちが付き合わないようにしていても、そうやって近づいてくるし、どうでもいいようなことを突然言ってくるんだよね。そんな嘘つく?ってことを平気でつくから騙されるし。ああ〜、本当にあの人は面倒臭い」
ちなみに、今現在も、カズ子ちゃんママは、離婚はしておりません。
その後、茜さんが徹底的にスルーしたので、茜さんに話しかけてくることはなくなりましたが、わたしには普通に話しかけてきます。茜さんとわたしが一緒にいても、わたしだけに話しかけてきます。「こんにちは〜」って大きく手を振りながら。
う〜ん、たしかに面倒臭いです。
個人情報をやたら知りたがるママ
「どちらにお住まいですか?」
「あっ?もしかしたら◯◯というマンションですか?」
「あのマンション、お部屋のサイズ、いろいろあるみたいですけど、2LDKですか?それとも、3L?」
「だって、あそこ分譲ですもんね。じゃあ、買われたんですね? 現金で? ローンは何年?」
「東京の方?ご出身はどちらなんですか?」
「ご主人の出身は?」
「お仕事はなにをされているんですか?」
「じゃあ、会社員? パート?」
「ご主人は、お仕事は何をされているの?」
「管理職?」
「家計簿ってどうしてます?」
「ご主人、お小遣い制ですか?」
「お車乗られてます?まさか外車?」
「お子さん、お受験されます?」
「塾は? いつから入れますか?」
「小学校はどうされます?公立?それとも私立?」
「塾に行かれてるの? どこの塾? 月謝はいくら?」
これ、一人のママ友から今までわたしと茜さんが聞かれた同じ質問。このママの前では、個人情報保護の議論なんて、簡単に吹っ飛んでしまいます。
ヒトシくんママ(仮名)は、とにかく知りたがり。しかも、これらの質問を表情を変えずに話の途中で、「あ、そういえば、これ訊きたかったんですけど…」と、いった感じで淡々と聞いてくるのです。前後の話と関係なく、唐突に。
「最近風邪流行ってますね。音ちゃんは大丈夫ですか?うちの子は二人とも風邪ひいちゃって。そういえば、風さんて、お住まいのマンションは買われたんですか?」
「えっ?」
「あのマンションは賃貸じゃないですよね。分譲ですよね」
「でも、オーナーさんが賃貸に出していて借りている人もたくさんいますよ」
「じゃあ、風さんはどっち?」
「えっ? はあ〜。え〜っと〜…」
みたいな。
答えたくないという空気をいくら醸し出しても、察してはくれません。
カマイタチのような切れ味で、突然、刃物をむけてくる。で、気がついたらしゃべっちゃってる的な。
そんなママ、近くにいませんか?
まず、大前提として、初対面のママと相対したときにはある程度の警戒心を持つものだと思います。
お互いに。
そして、どういう人だろう? 変な人じゃないといいけどな…と、いう思いで、恐る恐る時候の挨拶から始まって遠回しに子供の話になって、それから、失礼にならないように、子供の成長のこととか、順番に聞いていきますよね。
お互いに。
それでも、
「お互いの個人情報は聞かない!」
と、いう不文律があるので、一日二日じゃ、聞きません。ママ友の中でも、かなり頻繁に会うようになってからです。最初は、
「どのへんにお住まいですか?」
せいぜいこれくらいじゃないですか?
そこで、突然、
「家は持ち家?」
そう聞かれたら?
持ち家じゃなければ、
「いえいえ、違います」
と、即答で答えられます。でも、もし持ち家だったら、
「え? は〜。え〜…」
言葉に詰まりますよね。その瞬間に、持ち家であることがバレるし、個人資産を明かしたことになる。しかも、これがタチの悪い相手だったら、
「持ち家を自慢されちゃった」
と、ママ友に吹聴するようなママもいます。まあ、たしかに、ママは質問しただけだし、答えたのはこっちです。誘導尋問に引っかけといて、
「自分からベラベラ喋り出したんだよね。自慢したいんじゃない?」
そういうことを言いふらす人間もいる。
と、いうか、そういうズケズケとテリトリー感覚のまったくないママは、たいてい言いふらします。
ママ友が5人、10人と増えてくると、必ず、そういうママが一人や二人、いるものです。自分は質問されたから答えただけなのに、気がつくと、「自慢するママ」に、されている。
逆に、
「あ、すみません。そういうのはちょっと…」
と、答えないでいると、
「あの家、なにかいろいろ人に言えないことがあるみたいよ」
なんてことを噂されていたりする。
子供はなんでもしゃべっちゃう
たとえば、つい先日のこと。音が帰宅するなり、こう聞いてきました。
「パパ。うちって狭いの?」
「うちって、今住んでいるこのマンションのこと?」
「そう。うちって狭いのかな〜」
「パパは狭いと思ってるよ。もう一部屋くらいほしいな〜って。パパの部屋ないし」
「そうか〜。やっぱりうちは狭いのか〜」
「なんで?」
「あ、今日、同じマンションに住んでいる同じ学年の子に言われたんだ。『音ちゃんの家って狭いよね〜』って」
「その子、うちに来たことないでしょう?」
「うん。ないよ。その子のママに教えてもらったんだって」
「え〜。こわっ」
「なんで、知ってるんだろう?」
「たぶん、マンションの図面を見たんじゃないかな。部屋番号さえわかれば図面見れるから。その子に部屋番号聞かれたでしょう?」
「聞かれたかもね。たぶん」
「その子の部屋のほうが広いんだよ。きっと」
「そうか〜。うちは狭いのか〜」
「ショック?」
「うん。ちょっとショック」
「でも、音は今まで狭いって感じたことなかったでしょう?」
「うん。なかったけど、みんなもっと広いところに住んでるんだね。そうか〜、うちは狭いのか〜」
「比較をすればね。比較が大好きな人もいるからね。音は人と比較しながら生活したい?」
「いや。でもね〜。うちは貧乏なの?」
「貧乏じゃないよ。普通だよ」
「じゃあよかった」
「貧乏って言われたの?」
「うちより貧乏じゃんって」
「それは当たってるかもね。音も、他の子とそんな比較してみたい?」
「いや」
「だったら関係ないじゃん。狭いからいいってこともたくさんあるよ」
「たとえば?」
「家族みんながリビングにいつも一緒にいるし、コタツの中で足がぶつかって『足どけろ〜!』とか。楽しくない?」
「楽しいね〜」
「うちはそれが楽しいからそれでいいんだよ」
こうやって、子供って、どんどん世間に毒されていくんだな〜。と、感じた次第でありました。
(執筆者:心の冷えとりコーチ 風宏)
心の冷えとりコーチングにつきましては、こちらもご覧くださいませ。
風 宏(Kaze Hiroshi)
心の冷えとりコーチ
冷えとり歴13年目。靴下6枚ばき、半身浴20分。最近お酒がやめられるように変化した2015年2月4日より、女性のための問題を解決するブログを開始。2016年9月GCS認定プロフェショナルコーチ資格取得。女性のための心の冷えとりコーチング講座も開催。