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心と体の冷えとり_働く女性の悩み、主婦の問題、ママ友、嫁姑とのトラブルを解決する話  by風宏(心の冷えとり)&風茜(体の冷えとり)

05-01パワハラ コミュニケーションスクール

言葉が全く通じない相手とのコミュニケーション7〜パワハラ5〜

投稿日:2017年3月18日 更新日:


ザワザワを侮るなかれ

 

 

派遣で働き始めてから三ヶ月経ったある日、佐江照さんは突然、根田見さんから呼ばれました。

「ちょっと・・・・」

わざわざ周りに誰もいないことを確認して、話しかけてきたのです。

「部長さんか、もしくは次長から、人事の件、何か聞いてる?」

「いえ、なにも」

「そう?あなたの就職の件なんだけど」

 

「少し前、次長に『本当に就職したいの?』と改めて聞かれたので、『ぜひお願いします』とお答えしましたけど」

「それ、いつの話?」

「一週間くらい前ですけど」

「そう・・・・」

その瞬間、根田見さんはなぜかひどく動揺した様子でした。

「もしかして、根田見さんもわたしの就職を応援してくださってるんですか?ありがとうございます!わたし、就職できるようにもっともっと頑張りますね!」

んなこと、微塵も思っちゃいませんが、佐江照さんは根田見さんの動揺を見逃しません。おそらく、またなにか根田見さんが良からぬことを企てていたのでしょう。それが何か思わぬ方向に向かってしまったのか?

具体的にはわかりませんが、ただ胸がザワザワしました。

これを予感と言います。

こんな時、人は、

「いや、わたしのただの思い過ごしだ・・・」

そう自分に言い聞かせて無理に安心しようとしますが、胸のザワザワを侮ってはいけません。

ザワザワはあなたにしっかり危険信号を送ってくれているのですから。

ザワザワは頭で理解するのではなく、心で感じるものですから。

 

 

「就職できなかったらバイトすれば?」

 

 

さて、話を一週間前の次長と話をした頃に戻します。

 

「本当に就職したいの?」

と、聞かれた件です。

根田見さんには詳しく話しませんでしたが、次長との間には次のようなやり取りがあったのです。

 

「もちろんあります。よろしくお願いします」

そう答えると、次長は、

「まあ、僕が部長に言えばなんとかなるとは思うんだけど〜」

「はい。よろしくお願いします」

「でも、社員になれない可能性もあるから、あまり期待しないほうがいいよ」

そう言うのです。佐江照さんは次長が何を言いたいのかわからず、

「あの・・・、それはどうしてでしょうか?」

そう尋ねました。

「一応、社員になれない可能性もあるってことを伝えておこうと思ってさ」

「・・・はい」

ものすごいショックを受けました。

もしかしたら本当に社員になれるかもしれない。期待が確信に近づきつつあったタイミングで言われたのですから。

佐江照さんは「冷静に・・・冷静に・・・」

心の中で自分に言い聞かせ、言葉を注ぎました。

「・・・・あの、もし社員になれなかった場合、半年の派遣契約が終了してもそのまま派遣で働くことは可能なんですか?」

「それは無理」

「・・・・・・そうなんですか?」

「僕は全然知らなかったんだけど、君が社員になったらうちの会社が派遣会社に100万円を支払わなければいけないらしいんだよ。100万円だよ。高いし、びっくりだよね〜。だから、社員にできないかもしれないんだよね。もし、社員になれないってことになっても派遣の継続も無理じゃないかな〜。君の契約料、やっぱり高すぎるんだって」

「100万円ですか?・・・・・」

「そうらしいよ。根田見さんが言ってたよ。だから、社員になるのも継続も難しいと思うんだよね」

「それ、本当なんですか?」

「根田見さんが言うんだから本当だよ。嘘つく理由ないじゃん」

(理由はたくさんあります!)

そう喉まで出かかりましたが、佐江照さんはおさえました。次長に言ってもなんの解決にもならないことはわかってましたから。

 

「うちでバイトやれば?募集してればだけど。」

「バイト?・・・・」

「最近のバイト、時給いいって言うよね。佐江照さんだったら今と同じくらいの時給で働けるよ。だって派遣もバイトも時給が同じだったらどっちでも同じでしょう?バイトだったら派遣みたいに更新とかしなくていいし、紹介料も払わなくていいし。どっちも楽じゃん」

「・・・・・・・」

佐江照さんは次長のあまりの無神経な態度に言葉を完全に失ってしまったのです。

 

根田見さんの策略に次長が見事にハマって、次長も佐江照さんの採用には難色を示しています。

そうなると、頼みの綱は部長さんだけですが、「100万円の紹介料」という話を聞いて、ほとんど絶望的な気持ちになりました。

そこに次長は、

「バイトやればいいじゃん」

と、無神経な言葉を浴びせたのです。

彼は別に意地悪な気持ちで言ったわけではないけれど、

普通に社員にとして働いてきた人には派遣やバイトで生計を立てている人の気持ちが全然わからない。

 

その典型の発言でした。

 

それ以来、佐江照さんは落ち込む気持ちを抑え、なんとか平常心を保ちながら仕事を続けていました。

一週間が経ち、ようやく立ち直りかけた時に、冒頭の根田見さんのあの言葉です。

「あなたの就職の件なんだけど」

なぜ、根田見さんはあんなに動揺していたのでしょう?

なぜ、佐江照さんは胸がザワザワざわついたのでしょう?

 

 

その答えは翌日にありました。

突然、部長さんに呼ばれて、

「来月1日から正式に社員採用することになりました。よろしくお願いしますね。条件面などについては根田見さんに色々と聞いてください」

突然、佐江照さんの社員採用が決定したのです。

 

 

 

ここまでの話をきちんと整理してお話しすると、実はこういうことだったのです。

佐江照さんを社員に推薦したいと考えているのは部長さんです。

それをなんとか阻止したい根田見さんは佐江照さんの直属の上司にあたる次長に、

「佐江照さんを社員にしたら、派遣会社に紹介料として100万円を支払わなければならないので無理です」

と、ことさら「100万円」を強調しました。それがあたかも法外であるように。

その話を鵜呑みにした次長が佐江照さんにあのような話をした。それでも、もし佐江照さんが社員に採用されたら、自分のおかげなのだと恩を売っておこうと考えた。

次長の思惑はその程度です。

では、根田見さんは、なぜそこまで佐江照さんの入社を阻止したいのか?

理由はわかりません。

部長さんが、佐江照さんを高く評価していることに嫉妬した?

話を聞く限り、理由はそこしかないように思います。

 

結局、

「100万円の紹介料」が、逆に佐江照さんの入社へのスピードを加速させることになるという、根田見さんにとってはなんとも皮肉な結果になるのですが。

次長は100万円の件を部長さんに話しました。

「佐江照さんを入社させたら派遣会社に100万円の紹介料を払わなくちゃいけないみたいですよ。だから、彼女の採用はできないと思います」

そう報告を受けた部長さんでしたが、

「それが相場というものだよ。うちの社員になることで派遣会社には佐江照さんとの契約料が入ってこなくなるんだから。根田見さんはそれくらいわかっているはずだけどな〜」

そして、部長さんは派遣会社に直接電話をして、佐江照さんの担当者に佐江照さんの人柄などのヒアリングを行い、100万円の紹介料の確認を行い、結果、正式に採用を決めたのです。

そして、部長さんから根田見さんへ採用の話が届き、採用のための書類を準備しておくようにと話があった。

驚いた根田見さんは、慌てて佐江照さんのところに行き、

「次長から人事の件、何か聞いてる?」

このセリフという流れになるのです。

結果、部長さんの裁量で、佐江照さんは晴れて、その会社に入社することが決まりました。

 

めでたしめでたし。

とは、そう簡単には行きません。

決まったとは言え、根田見さんは、だからと言って黙って入社を待っているような人ではありませんでしたから。

 

 

給料の金額が少なすぎる件

 

 

佐江照さんは部長さんに言われたので、根田見さんに入社について話を聞きに行きました。

そこで、根田見さんから書類を渡されます。

「そこにあなたの採用条件が色々と書いてあるので確認をしてください。疑問点がなければ来週末までにサインをしてわたしに返してくれる?その時、履歴書も出してね」

佐江照さんはその書類を確認しましたが、初任給の額が想像していたよりかなり少ないのです。

社員なので昇給とボーナスがあるとはいえ、派遣でいただいていた給料よりも少ない金額がそこには書かれていました。

佐江照さんは40代半ば。中途で採用なので新卒と同じということはさすがにないとは思いましたが、あまりに少ない額にかなり落胆しました。

「これだったら派遣の方がいいかも・・・・」

これは正直な感想です。

社員になれば、派遣とは比べ物にならないほどのやりがいが出てくるでしょうが、その分、責任も多くなります。

にもかかわらず、

「この金額でこれまで以上の仕事をしなければいけないなんて・・・・、なんか割に合わない・・・」

そこで、この件に関しても派遣の担当者に相談したのです。すると、こんなことを言われたのです。

「わたしの想像ですけど、この金額、本当でしょうか?これ、もしかしたら嘘かもしれませんよ」

「どういうことでしょうか?」

「この金額のところだけ手書きですよね。根田見さんが、わざと派遣のお給料よりも低い金額を書いたのかもしれませんよ」

「どうしてそんなことを?」

「だってこの金額を見て佐江照さん、ショックを受けたでしょう?社員になるのをやめようかって、思ったんじゃありません?」

「思いました。今より給料が低くなるなんてやってられないなって」

「そういうことですよ。この書類を見て、社員になるのを辞めるかもしれませんよね」

「そんな理由で、こんなことやります?」

「佐江照さんがそれでも社員になりたいってサインして渡してしまえば、あとで『金額のところ書き間違えてました』で済む問題ですから、根田見さんが意図的に少ない金額を書いたかどうかなんて誰にもわかりませんよね。ありえると思うな、根田見さんだったら、これくらいのことはするし、わたし、こういう小細工をして社員に嫌がらせをする会社をいくつも見てきましたから」

説得力のある言葉です。

「でも、それをどうやって確認すればいいんでしょうか?」

「わたしが部長さんに挨拶に行って、その時に待遇についてどうなっているのか聞いてみます」

「よろしくお願いします」

 

それから三日後のことでした。

「やっぱり、あの額ではありませんでした」

「本当ですか!?」

「実際の額は、書かれていた額の1.5倍です。この会社のお給料は、中途採用の場合は職歴と年齢、そして佐江照さんの保有している資格など、そういう部分からお給料を算出する計算式がきちんとあって、それに該当するお給料の額が支払われるようになっていました。佐江照さんが根田見さんからもらった書類に書かれていた金額は新卒の初任給と同額でした.」

「根田見さん、間違えたんですかね〜?」

「部長さんも同じことを仰ってました。『根田見さん、ボケちゃったのかな〜』って。でも、わたしはそうは思いません。事務の責任者が間違えることではありませんよね。意図的だと思います。でも、それを確認するすべはありませんけど」

「そうですね。やっぱり根田見さん、怖いな〜」

「そうですよ。入社するまで、まだまだ油断できませんよ」

 

 

履歴書、その場で開封の件

 

 

翌日、

「佐江照さん、ごめんなさいね。なんかお給料のところ、間違えてたみたいね。はい。こちらが正しい書類。じゃあ、こちらにサインして履歴書と一緒に返してね。よろしく」

根田見さんは悪びれるでもなく、いつものそっけない態度で書類を渡してきました。

そして、さらに翌日。

佐江照さんは書類にサインをし、履歴書を封筒に入れ、きちんと糊で封をして二つの書類を根田見さんの元へ持って行きました。

すると、根田見さん、

「どうして履歴書の封筒に糊付けしてるの?これじゃあ、わたしが確認できないじゃない」

そう言うのです。

「これは個人情報ですので、人事の方が封を開けるまでは誰にも見られないようにするのが普通だと思うんですけど」

佐江照さんがそう言うと、自分の机の引き出しからペーパーナイフを取り出し、

「はいこれ。あなたが封を開けて。わたしが開けるわけにはいかないから」

「・・・・どうして根田見さんが確認するんですか?ここにはわたしの個人情報が書かれているのでお見せできないんですけど」

「だからわたしが確認するんじゃない!派遣の間はわたしがあなたの上司なのよ!早く開けなさい!」

 

佐江照さんが渋々開けると、根田見さんは履歴書を取り出し、ざっと目を動かすだけでほとんど読むこともせず、履歴書を封書へ入れ、

「はい、確認できました。じゃあ、この書類はわたしから人事の方へ渡しておきます」

そう言ったのです。

佐江照さんには、根田見さんのこの行動に一体なんの目的があるのかさっぱりわかりませんでした。

この件もすぐに派遣会社の担当者に報告しました。

 

担当者はすぐに会社の人事課に報告しました。人事課と根田見さんの間でどのようなやり取りがあったかわかりませんが、これを機に、根田見さんが佐江照さんにあれこれ難癖をつけてくることはなくなりました。

正確には、完全に佐江照さんを無視するようになったのです。

 

そんな時、今度は、次長がすごい剣幕で佐江照さんのところにやってきたのです。

「佐江照さん!社員採用されたんだって!」

「はい。ありがとうございました。これからもよろしくお願いします!」

「ありがとうございますじゃないよ!僕は君の採用が決まったなんて全然知らなかったよ。なぜ、一言も言わないんだよ!僕があなたの採用のためにどれだけ尽力を尽くしたと思ってるんだ。次長の僕を飛び越えて勝手に決めちゃうって、どう言うつもりなんだよ!」

 

一難去って、また一難なのでありました。

 

つづく

 

 


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風茜のプロフィール

冷えとりコーディネーター。
大学卒業後、美術館学芸員を経て、不況、夫の大病のため、転職を8回経験する。仕事のストレスから体が冷え切っていて、ようやく30代後半で妊娠するも、冷えのため切迫早産しそうになる。子供のアトピーをきっかけに冷えとり健康法を知り、靴下2枚ばきから始める。ずっと体が弱く、入院、手術を繰り返していたが、冷えとりで体質が改善されて、健康を取り戻した。現在冷えとり歴10年目。どんどん体の毒出しが起こり、体の冷えがとれて思う通りの幸せな毎日を送ることができるようになった。現在、靴下8枚ばき、半身浴2時間、1年中湯たんぽをいれ、腹7分を心がけている。アラフィフを機に、冷えとりコーディネーターとして、冷えとりと人との間をつなぐ仕事をしたいと活動を決意。2015年6月より冷えとりブログを開始。